【こ ん じ き や し ゃ】 ページ20
×××
女の脚元で、背骨を砕かれてしまうのではと思わせる程の強い力で踏みつけられていた中島は、患部から来る激しい痛みに悶え苦しみ乍らも、声を張り上げた。
彼女は____泉はもう、マフィアには戻らない。一人だって殺したくないと涙を流し、光の有る場所で生きたいと、変わりたいと強く願っているのだ。
それは中島が一番理解している。
「......!?」
その瞬間、女の
その光景に泉は驚き、水縹色の瞳を大きく見開く。
「矢張り...... 鷗外殿の許可など待たず 迎えに来るべきであった。このような
中島の背から足を退かし、コツコツとブーツの踵を鳴らして距離を縮める。
すると両の手を伸ばし、ふわりと泉の華奢な軀を包み込むように抱き寄せた。
「可哀想な鏡花や 甘言に唆され、そこが光の世界と勘違いしたのであろう。____じゃが奴等は
” ____夜叉白雪を使え “
「......!」
「それは厭であろ?」
台詞を聞いた泉の肩が、僅かにピクリと跳ねた。
その僅かな動揺を見逃す事はなく、女は地に伏している中島に射抜くような視線を向ける。冷たく鋭い眼差しの奥底には、強い敵意と憤り____そして激しい憎悪が入混じっていた。
女は低い声で、「じゃが 案ずるでない」ポツリと溢すように呟いた。泉の軀からスルリと手を離すと、背に庇うように一歩前に出る。
「異能目当ての屑共など 私が微塵に切り裂いてくれる」
「.........! マフィアがそれを云うか.........!」
泉の異能を利用し、苦しめていたのは其方の方ではないか。
ぶわっと怒りが湧き上がる。
中島の手足が白虎のそれに変わり、傷が【超再生】された。
地を強く蹴り、中島は女と泉を引き離す為に飛び掛かろうとした。
だが彼の腕が女に伸びる直前、中島の軀が細々と切り裂かれたのだ。然し、それは泉の夜叉白雪の攻撃ではない。
鮮血が飛び散り、二人の女の頬を濡らした。
____一体、何が起きた!?
中島と泉の二人は一瞬の出来事に、何が起きたのか判らないと云った表情をしている。
「遅いのう」
ポートマフィア幹部
尾崎 紅葉____
能力名『金色夜叉』
女は着物の袖を口元に持っていき、クスリと小さく微笑った。
夜叉が____もう一体!?
×××
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←【華は内なる闇に蝕まれる】
102人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミサぽん(プロフ) - 沙羅さん» コメント有難うございます!別作品と掛け持ち故、少々遅れてしまいますが頑張ります! (2020年1月7日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅 - とでも面白いです!!更新待ってます、、、!! (2020年1月7日 23時) (レス) id: d676b6612b (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 雛さん» コメント有り難う御座います!とても嬉しいです^_^ (2019年12月14日 14時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 文才のかたまり、わたしにもください。小説とても読みやすいです。 (2019年12月14日 14時) (レス) id: a41e581cbd (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - リリアさん» わわわ!コメント有り難う御座います!太宰夫婦シリーズ、読んでくださっていたんですねっ あの作品にも思い入れは沢山有りますから、余裕が出来ましたらまた更新を再開させようと思います!好きだったと言ってくれて、本当に嬉しいです! (2019年12月14日 0時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年11月18日 9時