第六十一訓 ページ35
ある晴れた日のこと。
真選組屯所のある一室からは笑い声が溢れていた。
「総悟は相変わらず、ミツバさんには頭があがらんなぁ」
その一室にいたのは、近藤と総悟、そして総悟によく似た女性 ーー沖田ミツバだった。
婚姻のため江戸に訪れたミツバは、弟の顔、そして友人達の顔を見に屯所へと来たのだった。
いつもは誰に対してもドライでサディスティックな総悟だが、育ての姉であるミツバには違い、大層懐いている様子だった。
その様子を部屋の外から覗き見する隊士達は、いつもと違う総悟の様子に驚いていた。
「総悟、ミツバ殿に江戸を案内してやりなさい。兄弟水入らずゆっくり過ごすといい。」
「ありがとうごぜぇやす、近藤さん!」
瞳を輝かせ、嬉しそうにする総悟。部屋を出ようとミツバの手を引きかけたが、その手を止めた。
「姉上、紹介したい人がいるんでさァ」
少し待っててくだせェ、というと部屋をバタバタと出ていった。
数分して戻ってきた総悟と一緒にいたのは、Aだった。
ミツバの前にAが座ると、もしかして…とミツバは口に手を当てた。
「姉上、こちらがAさんです」
「はじめまして、Aでありんす。以後よしなに」
Aが緩く笑うと、ミツバはやっぱり!と嬉しそうに笑った。
「そーちゃんのお手紙によく書かれているの、Aさんのこと。お会いできて嬉しいわ」
「それはわっちの台詞だ、総悟から自慢の姉だとよく聞く」
2人はよろしく、と軽く握手をした。それを見届けた総悟は、今度こそミツバの手を引いた。
「姉上行きましょう。
近藤さん、Aさん、いってきやす」
元気よく部屋を出た2人はやはり仲の良い姉弟で、とても微笑ましく見えた。
「総悟は本当にミツバさんが好きなんじゃな」
「唯一の家族だからな、大切なんだろう」
そう言う近藤の横顔は穏やかで優しく、彼もまた総悟が大切なのだと見て取れた。
戻るか、とAはその部屋をでた。
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黄羅(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてうれしいです!そしてご指摘もありがとうございます。区切りの良い所まで行ったら設定を大幅に変えようか検討中です。その際にはお知らせ致しますので、これからも見て頂けたら幸いです! (2021年2月5日 5時) (レス) id: 3f33cf0222 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 楽しんでいつも見てます!高杉との絡みがあって嬉しいです! ただ月詠口調がやりすぎじゃないかなって気になりました。 (2021年2月5日 4時) (レス) id: becceb0046 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新楽しみに待ってます! (2015年3月12日 14時) (レス) id: a76acd2a98 (このIDを非表示/違反報告)
桃果銀魂LOVE(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2015年1月24日 8時) (レス) id: 3c29a828b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - 続きィィイイ〜!!見たい〜!!一国傾城篇とか!! (2015年1月2日 1時) (携帯から) (レス) id: eac2cfa6e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄羅 | 作成日時:2013年7月30日 20時