３８１．黄泉の国での再会…母と娘 ページ2
A「ん……」
目を開けると、そこは小さな部屋で横たわっていた。しかもここは、見覚えのある部屋だ。
ここ、小さいときの私が危篤に陥った時、夢の中で来たのと一緒……。
(そっか…私、死んじゃったんだ……)
ふと、外から微かに人の歌声が聞こえた。裏庭からだ。
(あれ？この和歌、どこかで聞いた事があるような……)
Aは怪訝な顔を浮かべながら屋敷の裏に回った。
Aの予想通り、裏庭では和歌を歌っていた。満開の桜の巨木の下で、一人の女性が上を見上げて立ち尽くしていた。
女性「久方の 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ……」
Aはハッとして、目を見開いた。
この
Aは恐る恐る女性に近づき、声をかけた。
A「……母上？」
そう呼ぶと、女性は振り向いた。
Aは思わず息を呑んだ。一言でいうならば生き写し――面差しも肌の色も気品の全てが。
まるで自分の鏡に映ったかと思うくらいの酷似だ。
あまりにも自分と酷似で茫然自失で言葉が出ないAを見ていた女性――ねねは、ふわりと笑みが浮かんだ。
ねね「大きくなったわね、A」
A「母上…」
自身の名前に呼ばれえ、体から熱いものがグッと押し寄せた。だがAはそれを抑え込み、悲しみの顔を滲ませた。
A「母上……どうして私を生んで捨てたの？どうして私を一人にしたの？私が嫌いだから死んだの？」
ねね「違うわ。あなたが嫌いだから死んだんじゃないわ」
A「母上の嘘つき！私を置いて死んだのは…私が不幸になるのを恐れてたからなんじゃないの？だから…父上にお願いして殺されたんでしょ？」
Aはキッとねねに睨みつけた。真実を知ってしまったのだと、ねねは悲しみを帯びて目を伏せた。
ねね「…確かに、私はあのひとに殺されたわ。あのひとを生き返らせるためには、こうするしかなかった……。でも、あなたを愛したのは偽物じゃないわ」
A「…じゃあ、証明してよ。私達の『愛』が本物だっていう証拠を」
――と、ブゥゥンとノイズのような音が聞こえる方に振り向くと、屋敷の壁に映像が映し出されていた。
それは、ねねが秀吉に殺される前の――ねねがAへの別れの言葉を贈ったビデオメッセージだった。
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コマさん - 最初から読みました！とても感動しました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2017年5月7日 12時) (
レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
舞 - はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました！私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです！ (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます！今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花海月ヒリス | 作成日時：2013年9月12日 16時
