戦国BASARA〜愛しき花よ、切なき花よ〜【希望の道】

３９７．ありがとう ページ18

A「……ん」


　何かに支えられて大きな温もりを感じてる。
　Aはゆっくり瞼を開けると、目の前に小十郎の顔があった。
　目が覚めたのに気づいたか、小十郎は彼女を見る。


小十郎「…気がついたか？」

A「小十郎さん…」


　小十郎の顔がやけに近い。どうやら自分が眠っている間に、小十郎にお姫様抱っこされて運ばれていたようだ。


A「小十郎さん……政宗さんは…？」

小十郎「政宗様はアイツらが介抱している。まだ目を覚まさないがな」

A「そうですか……。ねぇ、小十郎さん。小十郎さんは…私に会えて良かった？」

小十郎「ああ」

A「私を拾った事…後悔してない？もしもこの先、私がまた不運の種を撒(ま)く事を恐れてない…？」

小十郎「それは、俺が答える事じゃねえ。その問いは、政宗様に聞いてみる事だ」

A「そうですよね…。でも、私は後悔してないよ。この世界に生まれて、豊臣に生まれて良かったって思ってる。半兵衛達が本当の愛を教えてくれたから……希望を捨てないで、生きて、本当に良かった……」


　Aは、首にかけているお守りを握りしめ、泣き微笑いで涙を流した。


(ありがとう。父上、母上、半兵衛――)

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