第四十一話 ページ45
太宰さん視点
「コンコンコン」
扉を叩く音で我に帰り、持っていた酒をテーブルに置く。
こんな時間に訪ねてくるのはあの子以外あり得ない。
ここのところ毎日なものだからすっかり慣れてしまった。
太宰さん「はいはい、今日も眠れなくなってしまったのかい?」
「...毎晩、すみません」
そういう彼女は目の下に濃いクマができている。
太宰さん「構わないよ、私はむしろ嬉しいな。実を言うとね、毎日この時間を楽しみにしているのだよ」
「...!本当!」
思わず敬語も崩して屈託のない笑顔を向ける彼女をみて、
私の前でリラックスしてくれていることを感じ何故だか心が満たされる。
他の人には見せない顔だったらいいのになんて思ってしまった。
太宰さん「本当だよ。ところで、明日は休日だし私はもう少し起きていようと思っているのだけど、君はどうするかい?」
「......私も...まだ眠れそうにないです」
彼女は必死に隠そうとしているが、小刻みに震えているのが分かった。
一体どんな悪夢を見ているのやら...。
太宰さん「そう、じゃあちょっと付き合ってもらおうかな」
そう言って、飲みかけていた酒の続きを口に流し込む。
酒は昔のことも忘れさせてくれる...だから好きだ。
夜は嫌なことを思い出してしまう...だから嫌いだ。
でも君は.........全てを包み込んでくれるような気がする。
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水無月麗(プロフ) - MANA☆さん» ありがとうございます😭 頑張ります! (2月8日 20時) (レス) id: 2daa15024e (このIDを非表示/違反報告)
MANA☆(プロフ) - わ、和歌月ちゃんが可愛いです…応援しています!投稿頑張ってください! (2月8日 17時) (レス) id: 320ec2c20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 麗 | 作成日時:2024年1月30日 16時