第三十九話 ページ43
A視点
大丈夫、大丈夫...。
爪にかかったペンチがグイッと食い込んでくる。
痛みを覚悟し、目をギュッと閉じた。
「バコォォォォン!」
突然扉が蹴破られ聞き覚えのある声がした。
賢治くん「開きました!」
太宰さん「Aちゃん!無事かい?」
「太宰さん!みんな!」
国木田さん「おい何してる!?」
国木田さんがボスの胸ぐらを掴んで持ち上げる。
与謝野さん「うちの社員に手を出すとは飛んだバカもいたものだねぇ」
谷崎くん「Aちゃん...怪我してない...?」
敦くん「大丈夫ですか?」
乱歩さん「飴いる?」
「...みんな...!」
別にあのザアパなんとかとかいう組織が怖かったわけじゃないけど、思わず涙が溢れる。
乱歩さん「泣き虫なだなぁ」
そう言って乱歩さんが渡してくれた飴もすっごい甘くて、もう涙は止まらない。
ボス「まだだ!電話一本でここら一体の犯罪者が駆けつける!」
だから、さっきも言ったけど...。
電話の人[お前ら!あの探偵社に手を出したのか!?命が100個あっても足りん!俺たちは降りるぞ!]
太宰さん「さて...どうしたものかな?」
ほら見ろ...。
与謝野さん「ところで、アンタ爪を剥ぐそうじゃないか...」
ボス「ひ、ひぃー!」
組織のボスね...とんだ臆病者じゃないか、よくその名を語れるものだ。
ボス「こ、今回は見逃してやる!それに和歌月A!今度会った時は覚えてろよ。家族も、身寄りもないお前なんか死人も同然、突然この世に現れた悪魔の子!ばーかばーか!」
は?.........悪魔の子...ね。
「ゴッ」
突然のものすごい音にそちらを向くと、ボスが床にうずくまっている。
傍には彼の腕を持ち上げ、ゴミを見るような顔をした...太宰さん?
国木田さん「太宰!何をしている」
太宰さん「何って、この世界の汚れを掃除してあげようと思って」
汚れ...彼のこと?
与謝野さん「太宰、気持ちはわかるけどそれじゃお前も奴らと同類になってしまうよ」
太宰さん「チッ」
太宰さんは気絶してだらんとしているボスを捨てるように手から離した。
帰り道、太宰さんは一言も喋らなかった。
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月麗(プロフ) - MANA☆さん» ありがとうございます😭 頑張ります! (2月8日 20時) (レス) id: 2daa15024e (このIDを非表示/違反報告)
MANA☆(プロフ) - わ、和歌月ちゃんが可愛いです…応援しています!投稿頑張ってください! (2月8日 17時) (レス) id: 320ec2c20a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水無月 麗 | 作成日時:2024年1月30日 16時