愛おしい女性 ページ44
-恵美side-
世の中、一つとして同じ夫婦はない。それぞれの色がある。
不倫をしても、それは私達の間では許される。
彼の憂鬱が少しでも晴れるなら、それでいい。
愛情が与えられなくても、彼の傍に居られるなら、彼を少しでも支えられるなら、それでいい。
けれど、正妻である私は、彼の体裁を守らなければならない。だから、夫婦としての形だけでも保つために、ルールを決めた。
結婚してから、彼は淡々と毎日を過ごすだけで、外での恋愛はしなかった。むしろ私に優しかった。結婚記念日もお祝いの席を彼が自ら用意してくれた。
それを愛情と勘違いしてしまうほどであった。
七年目のある日、それは突然にやって来た。彼に愛する人が出来たと知った。それでも、彼の私に対する態度は前と変わらなかったため、不思議と寂しさは感じなかった。
けれど、彼に笑顔が戻ったとき、悔しくなった。一度だけ、私は隆くんを過ちの道づれにした。
夫の不倫を知ってから三年の月日が流れた。まだ関係は続いているようだった。
光が戻りつつある彼の目を見て、私はその女性に純粋に会いたくなった。
初めて会う彼女は、想像とは違い、とても儚い人だった。
怯えたような瞳をして私を見る彼女。それは、私達の関係からすると当然の感情なのだが、私はそれを寂しく感じた。
会った時から、いや、電話で声を聞いた時から、彼女に惹かれていたのだ。
話し方、笑い方、幼さを残したそれに愛おしさを覚える。二十代後半とは思えなかった。
だが、一番愛おしさを募らせたのは、私を見つめる瞳に映った哀しみだった。
泣き出す彼女をただ見守る。その時、あの女性の面影を見た気がした。
まさか、彼女はあの人の娘なのだろうか。
ならば、私はどうするべきなのだろうか。
彼女の哀しみの理由は夫との不倫関係ではなく母親なのかもしれない。
現在の彼女との関係が悔しい。
もっと普通に、何気ない瞬間に、夫が関わることなく、彼女と出会いたかった。
私はただ彼女を愛情で抱き締めたかった。
「主人と別れないで下さい」
これは、夫の笑顔のためでなく、彼女との関わりを繋ぐための言葉。
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megumi(プロフ) - いなすらさん» ありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張って執筆します(^^) (2019年5月22日 18時) (
レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - めぐみさん» 誤字でしたか(笑)大丈夫ですよ！続き楽しみにしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年5月22日 17時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - いなすらさん» いなすらさん、ご指摘ありがとうございます！誤字です、申し訳ありません。すぐに訂正いたしますm(__)m (2019年5月22日 17時) (レス) id: a2b7118433 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - 作品名、幸せだからいになっていますが、誤字でしょうか？意図的なものではないと思いますが、そうだったらすみませんm(*_ _)m (2019年5月22日 15時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：megumi | 作成日時：2019年5月21日 5時
