【駄目な所】 ページ35
rb side
皆がAさんを探しに出かけるのを見送った後、Aさんの部屋に行く。
「お邪魔しまぁ〜す…」
勝手に入るのは申し訳ない事だと分かっているがどうしても気になる事があった。
いつかの日に洞窟探索から戻ってきたA
さんは自分の手帳が見つかったと嬉しそうに話していた。
手帳は…と探していると無防備に枕元に置かれているのを見つけた。
心の中でごめんなさいと呟き、手帳を開く。
水で濡れていたせいか文字が滲み、読みにくい。
『私の駄目な所』
1ページ目に可愛らしい文字でそう書かれていた。
『1.すぐに泣く』
『2.嘘が下手』
『3.肌が白すぎて気味が悪い』
『4.冗談が通じない』
『5.気が使えない』
『6.空気が読めない』
『7.他人に迷惑をかける』
『8.人付き合いが下手』
『9.何をやっても上手くできない』
『10.誰からも愛されていない』
見るに耐え難いものだった。これは全部Aさんが書いたものだろうか。少なくとも俺達はここに書いてある事を思った事も感じた事もない。優しくて穏やかで接しやすい人だと思っている。少し怯えた様子はあるものの悪い人ではないのはすぐに分かる。
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作者名:めんつゆ | 作成日時:2020年2月17日 1時