【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ34)

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【壁面文字】ページ34

you side

朝になった。朝日が眩しい。洞窟から出て背伸びをする。とにかく遠くに行こう。あの人達なら絶対探しに来るだろう。見つからない所へ…。

『あっちは確か…』

洞窟から出て歩き始め少しした所に渓谷が見えた。ここは私が落ちてコネシマさん達に助けられた場所だ。
渓谷を渡り、向こう側へ行くため木を切って簡単な橋を作る。

『うわ…びっくりした…』

渡り終えたと同時に羊が2匹こちらに近付いてきた。ふわふわとした羊を撫でると心が浄化されるようだった。

『どこに行こう…』

地図もなければ土地勘もない。とりあえず遠くへ行こう…誰にも見つからない様な場所へ…。
だだっ広い草原を1歩ずつ歩み始める。羊や馬、鶏、牛、豚など様々な動物と会った。どれも可愛い顔をしていて癒された。種を持っていたら鶏が着いてくる。

『ふふ、可愛いね。』

鶏達に種を与える。ふと横を見ると下に洞窟へと繋がる穴があった。そこは洞窟とは呼べいないほどすぐに道が途絶えた。洞穴とでも言うべきだろうか。

『ここなら…見つからない…よね？』

木材で作業台を作り、作業台でピッケルを作る。そして、石を掘り竈を作る。竈で木を木炭にし、松明を作るり洞穴を照らす。すると、暗くて見えなかった洞穴の壁面に無数の文字や数字が削って書かれている事に気づいた。

『なに…これ…』

「ここへ来て30日目」
「食料は残り2個」
「地獄へ行った熱くてたまらない場所だ、しかしここへ行かなければボスを倒しに行けない私は帰れない」
「誰か助けてくれ」

同じ様な言葉が書かれている中で一つだけ赤黒いペンキか何かで書かれた文字を見つけた。

「ヤツがくるヤツには逆らえない勝てない何故ヤツがいる？この世界はマイクラじゃないのか？助けて死にたくない殺さないでくれ嫌だすぐ近くで足音がする頼む向こうに家族がいるんだ嫌だ助けてやめ」

そこで文字は途絶えていた。嫌な予感がして足元を照らすと夥しい程の乾き切った赤黒い染み。それが血である事は容易に想像が出来た。

『なんで…ここは…一体…』

外へ出て他の場所を探すのでも良かった。しかし、私はそこから囚われたように抜け出せなくなった。壁面の文字から目を話せなくなったのだ。

『…貴方に何があったの…』

壁面に手を当て文字を手でなぞる。私はそこから離れなくなった。いや、離れられなくなった。