【顔色】 ページ27
tn side
やっと合流出来たシッマとAさんはボロボロに怪我をしていた。シッマに至っては気絶してるし…Aさんには申し訳ない事をしてしまった。
tn「Aさん、シッマは俺が担ぐわ。」
『あ、はい。ありがとうございます…』
tn「じゃあ着いてきて。こっち真っ直ぐ行けば出口あるから。」
『はい…』
明らかに元気が無いのが分かる。薄暗いから顔色はよく見えないが青ざめた表情をしていた。俺はシッマを担ぎ、先程ゾムと来た道を引き返す。
しばらく歩いているも無言の時間が続く。
休憩するかと聞いても私は大丈夫ですと言うばかりだ。チラチラ後ろを確認しながら進むも明らかに先程より顔色が悪くなっている。
やばいな…。
直感的にそう思った。
tn「Aさん…？ほんま大丈夫か？」
『………大丈夫です…』
tn「ちょっとぐらい休憩してもええんやで？」
『ほんと大丈夫なんで…』
キリがないので俺とシッマの身体をロープで固定し、一向に引き下がろうとしないAさんを抱き上げる。
『え、ちょっ…トントンさん？』
tn「俺の事なら心配せんでええ。途中で倒れられても困るからな…」
でも…と続けるAさんに俺が歩く方が速いからと言い歩き続ける。
諦めたのか急に静かになる。ふと顔を見るとやはり顔色がおかしい。これ拠点までもつのか…？正直不安だった。
kn「………んっ……んぅ…」
tn「シッマ？…シッマ！」
kn「あれ…トントン…お前こんな所でなにしてん…」
tn「…お前が気失ってるってAさんが一生懸命運んでくれたんや。」
kn「…Aさんは？」
tn「ここにおるよ。」
そう言って腕の中のAさんを背中に張り付いているシッマに見せる。
kn「…顔色が悪いやんけ……」
tn「お前もな。お互い様や。」
kn「……目開いてるけど俺の事気付いてないんか…」
tn「え…」
シッマの一言にそういえばシッマの声が聞こえてるはずなのに声がしないと思い、Aさんの顔を見る。
すると意識が朦朧としているのか目の焦点が合っていなかった。
tn「…意識が朦朧としてんのか？目が虚ろや。」
kn「…はよ…拠点行かな。」
tn「もうすぐや。もうすぐやから耐えろ。」
kn「…ごめんなぁ…俺のせいで…」
シッマがそう呟いた意味はよく分からなかったが考えるよりも今は拠点へ急ぐ方が最優先だ。そう思い俺は拠点までの道のりを急ぐ。
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作者名：めんつゆ | 作成日時：2020年2月17日 1時
