【熱】 ページ11
you side
あれから2日経った。
ショッピさんとはあれ以来会話を交わしてはいない。私はそれなりにここの生活にも慣れてきた所だった。
ht「あ」
『あ』
私が暇を持て余すため畑をじっと眺めているとひとらんらんさんがやってきた。
『……ここ、邪魔ですよね。今退きますね。』
そう言って立ち去ろうとした時に
ht「いや、いいよ。そこに居て。」
とだけ呟き、畑の中に入り作業をし始めた。
いつも付けている手袋を外し、畑を耕す。
ht「はい、これ。」
ふと考え事をしているとひとらんらんさんに袋いっぱいに入った小麦を手渡される。
『え、これは…』
ht「これをトントンの所に運んでほしい。何もしてないのも退屈でしょ？」
少し微笑みながらそう告げるひとらんらんさんから袋を受け取り
『わ、分かりました！』
とだけ言いトントンさんを探す。
トントンさんは自室かな？と考えながら走っていると曲がり角で誰かとぶつかる。
勢いよく後ろに倒れそうになり思わず目を瞑るも痛みや衝撃がいつまで経っても来ない。
恐る恐る目を開けると
kn「なんや…Aさん危なっかしいなぁ…」
私の肩をがっしり掴み倒れるのを阻止してくれたのは眠っていたはずのコネシマさんだった。
『コ、コネシマ…さん…？』
kn「怪我してないか？派手にぶつかってしまってすま……ん………な…」
私は訳が分からずに涙を流してコネシマさんに抱きついた。その瞬間喋っていたコネシマさんはフリーズする。
kn「え、ちょ、待って？やっぱどっか打ったんか！？何で泣いてるんや！？」
『ごめんなさい……私の…せいでｯ……』
kn「…あれはAさんのせいやないよ。大丈夫やって！ほら見てみ？俺ピンピンしてるで？」
コネシマさんから身体を離し顔を伺うと以前と変わらないまるで太陽の様に明るい笑顔を浮かべていた。
tn「お目覚めのコネシマさん。随分お熱いですね。」
いつの間にか後ろに居たトントンさんに急に話しかけられる。
kn「なんやトントン盗み見とは趣味の悪い事するやんけ。」
tn「そっちが廊下でイチャつくのが悪いんですぅー。」
『あ、トントンさんこれ…ひとらんらんさんから渡してくれって』
そう言って袋いっぱいに入った小麦を手渡す。
tn「おぉ、ありがとう。じゃあシッマ、皆には俺が報告しとくから今はAさんの話でも聞いたってや。」
立ち去るトントンさんに
kn「おー、ありがと。」
と静かに呟いた。
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作者名：めんつゆ | 作成日時：2020年2月17日 1時
