各部隊の死闘 ページ10
「なんでログアウトしてんだよ…ックソ！」
勢いよく、金属で出来た硬い壁を叩く。
「お前が負けたからだろ…もうアカウントはねえんだぞ。」
「いや…俺のゲームのアカウントをコンバートしてくれ。アンダーワールドにもう一度ダイブ出来るならアカウントがロストしても構わねえ。」
「…分かった。もっかいダイブさせてやる。そこで寝てろ。」
「すまねぇな。」
俺は、自分の寝ていた場所にもう一度横たわる。俺はゆっくりと瞳を閉じ、魂は再びアンダーワールドへと送られた。
「そろそろか…。」
ベルクーリは待っていた。何万ものミニオンが人界に流れ込んで来ることを。愛剣である時穿剣の鞘を握り、ただ待つ。
「オリャァァ！」
キィン！
既に満身創痍のデュソルバートを、シボリは追い詰める。弓を使わせず、ひたすら刀を振り続けて。
「くっ！」
一時間にも及ぶ戦いの末に、とうとうデュソルバートは手から剣を離してしまった。隙だらけのデュソルバートに、シボリは容赦なく斬りかかる。あと数秒で剣が届くというその刹那。
ドォォォン！
剣技による轟音が響き、その勢いと共にシボリの首が撥ねられていた。鎧を纏っていないあたり、整合騎士ではないようだ。
《ハイ・ノルキア流 片手剣
「助けて頂き感謝する。名前を聞かせてくれ。」
「修剣学園卒業生、ウォロ・リーバンテイン！」
ウォロ・リーバンテイン…。
「名前、しかと胸に刻み込ませてもらった。これからも加勢を頼めるか。」
「はい…！」
フルグルの猛スピードに対応することが出来ず、エルドリエは苦戦していた。
「霜鱗鞭！」
武装完全支配術を行使し、華麗にフルグルを捌き続ける。が、所詮は捌いているだけであり致命傷を与えてはいない。予測不可能な攻撃に見舞われることも多々あり、お互いに天命を消費し合っている。
「そろそろ終わりだ！」
左足を踏み込み、フルグルは右手の爪でエルドリエの鎧に傷を付ける。エルドリエは感じていた。そろそろ発動しなければいけないことを。
「リリースリコレクション！」
その式句は、霜鱗鞭の記憶を呼び起こさせる。
「喰らえっ！」
シュッ
幾重にも分裂した鞭は、フルグルを仕留めんと噛み付く。それはまるで、蛇のようだ。
「こんなものっ！」
そう言って、フルグルは右腕で振り払おうとする。しかし、全く離れない。天命値が減少を続けるフルグルはその数値が0になる瞬間を見た。
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作成日時：2019年11月23日 12時
