決着 ページ49
「来い…！」
本来は十六連撃のソードスキル。でも…この世界に生きるみんなの願いを一撃に込める！
「行って！」
「行きなさい！」
「勝って、キリト！！」
大きく星爛剣が瞬いた。虹色の光が次々と放射される。
「これが…俺たちの！」
星爛剣を大きく振り上げる！
「スターバーストストリーム！！」
サトライザーは、禍々しい両手剣を思いっきり力の限り振り下ろした。でも！
《両手剣ソードスキル スターバーストストリーム》
一人分の思いに…この世界の人達みんなの想いは…絶対に負けない！
「はぁぁぁぁぁぁあああああああああああ！！！」
ズパァァアアン！！
「馬鹿な…っ！！」
大きな音と共に、周りを埋め尽くすほどの闇はまとめて消え去り、虹色の光に包まれていく。
「サトライザー…この世界の人達を見下していたお前の負けだ。」
「そんな…この私が…。」
この一言を残して、サトライザーはこの世界から消え去った。橙の粒子となって。
「勝った…のか。」
「ええ、勝ちましたよ…！」
「勝ったよキリト！！」
みんなの身体は、度重なる戦闘による疲労で全く動かない。それでも、キリト達はワールドエンドオールターへと進まなきゃいけないんだ。
「今からあそこまでいくのは到底無理そうだな。もうへとへとだよ。」
キリトはにやりと笑う。
「ベクタ…サトライザーを倒したのです。ゆっくりいけば行きましょう。
アリスにしては珍しい楽観的な考えを、私は力強く反対した。
「追っ手がまだいるからゆっくりなんて出来ない。」
ユージオは返答する。
「でもどうやって…！」
「私に一つだけ方法があるの…。私の飛竜の武装完全支配術を使って、三人をワールドエンドオールターまで飛ばすことが出来れば。」
キリトは反駁した。
「駄目だ。大体行くなら四人でだろ。」
「私も…本当ならそうしたい。でも出来ない。聞いてほしい…私からの最後の話を。」
「聞くよ…。」
キリト達は真面目な顔で私の方を見た。これが恐らく、仲間との最期の会話になる。
「私の飛竜の武装完全支配術を発動することには特に縛りはないの。けれど、飛ぶのには武器と所有権を持つ者にそれ相応の代償がいる。効果が強ければ強いほどその代償は大きくなっていく。今からワールドエンドオールターまで三人を飛ばすのは、正直出来るか分からないほど負担がかかる。」
「その代償って…？」
「記憶の消去。だから、私は一緒に行っても意味が無いの。」
「そんな…！」
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作成日時：2019年11月23日 12時
