最終決戦�� ページ47
キリトの左手には、夜空の剣と対になるような純白の剣が握られていた。
「キリトも…剣を心意で作り出したんだね。」
「ユージオのお陰だ。こいつの名前は…星爛剣。夜空の中に爛々と煌めく星みたいだろ？」
「うん…！」
突如。周囲が夜空が更に一層闇で埋め尽くされた。
「なにこれ…？」
イーディスは、ここまでの闇に疑問を持った。
「あの、キリトとやらの術ではないですか？」
エルドリエがそれに応じる。確かに、伝わってくる力強く優しい剣気は間違いなくキリトのものだ。
「多分今も戦ってるんだよね。」
「そうでしょう。」
「祈ることしか出来ないけど…一緒に応援しよ。」
エルドリエは軽く微笑み、目を瞑った。私も目を瞑る。まるで願いが届いたかのように、星のない済んだ夜空に初めて、星が灯った。薄い水色の星と、暗い鼠色の星が。
「騎士長！」
人界に迫り来る敵を屠るデュソルバート、レンリ、ベルクーリ、そして四旋剣は真っ暗な夜空を見た。
「この技…恐らくキリトのもんだ。」
「騎士長、分かるんですか？」
「舐めてんじゃねえよ。デュソルバートも気づいたんだろ？」
「はい。」
「だろうな。みんなで作戦の成功を祈るぞ。」
新たに、灼熱のような星と黄緑色の星、そして少し曇りのある白い星が空で瞬いた。
様々なところで星が瞬き始める。深緑の星。濃い青の星。白の光を放つ星が、ネルギウス達と別れたところあたりで瞬く。ファナティオ達と別れたところでは、白、黒、黄色、翠、薄い茶の五つが煌いた。
遥か遠く、ルーリッド村の方では、黄緑色の星がアリスに向けて光った。この世界の人たちの願いが星となり、いつのまにか幾千幾万程の星が空を埋め尽くしている。その空を見て、キリトはサトライザーに向き直る。
「サトライザー。これがお前の馬鹿にしたこの世界の人達の想いだ。」
「この星達が一体なんだと言うのだ。」
「この星達は、一つ一つがこの世界の人達の願いなんだ。この世界に生きる人達のな！今だってその星は増えてる。分かるだろ！」
私だけでは到底成し得なかったことに、キリト、ユージオ、アリスは協力してくれた。整合騎士を辞めたあの日から、私はこの時を待ってたんだ。仲間が欲しかった。キリト達がこんなに頑張ってくれてるのが…本当に嬉しい…。だからこそ、この三人を…仲間をワールドエンドオールターまで送り届けなきゃいけない！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年11月23日 12時
