最終決戦�� ページ44
「そうだ…そうだよキリト！」
「ああ。行こうみんな！」
希望に満ち溢れ、もう少しでこの大戦に勝てると確信したその瞬間。
「そうはさせない。」
非常に冷徹な声が響いた。その声の主は、私達の前に立ちふさがった。右手には禍々しい剣を握っている。
「お前…名前はなんだ。」
キリトが問う。
「サトライザー…と名乗るべきかな。」
「サトライザー！？お前、GGOのトッププレイヤーだな。」
「私も知っているよ。キリトくん。あの水色の髪の女の子…シノンといったかな。首を絞めているのにあがき続けるあの顔…いい顔だったよ。パーティーを組んでいただろう？」
「…お前は何故アリスを狙う。」
「分かるだろう？軍事利用さ。人工知能が戦争をすれば、人間は何もせずに済む。機械の優秀さと量が全てを決めるんだ。命は失われない。そしてアリスの魂が欲しいんだよ…！」
キリトの手に力がこもった。
「何を言ってるんだ…アリスは勿論、ユージオもリザレクも人工知能なんかじゃない。お前に魂なんて取られない立派な人間だ。」
「君こそ何を言うんだ。この世界が仮想世界なのは君もよく知っているはずだ。まさかそこに人が住んでいるとでも言うのかな？」
「確かに、ここは菊岡達ラースが作った仮想世界だ。あっちの世界では、ボタン一つ押すだけでこの世界が丸ごと消されてしまうかもしれない。」
「だろう？なら」
「だからって！この世界に生きる人々…ユージオやアリス。リザレクにセルカ。リーナ先輩やゴルゴロッソ先輩やウォロ先輩にも！みんな一生懸命この世界で生きているんだ。それが分からないお前にはアリスを手に入れようとする資格なんてない。いや、もともとアリスは誰のものでもない。アリスはアリスとして、俺達と同じ人として、これからも生きていくんだ！！」
「私には戯言など理解出来ん。」
「ああそうだろうな。お前には理解出来ない。この世界に生きる人達の尊さを！」
「…私は今非常に機嫌が悪い。早くかかってくるといい。」
しばらく、空間を静寂が包む。その静寂を破ったのはユージオだった。
「みんな…やろう。」
続いてアリスが応じる。
「勿論です。」
「うん！キリトも一緒に。」
「ありがとうみんな…！サトライザー…俺達はお前に負けない。行くぞ！」
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作成日時：2019年11月23日 12時
