紫の剣 ページ42
「「システムコール。ジェネレートエアリアルエレメント！ディスチャージ！」」
ファナティオとシェータは両手を前に広げ、風素を爆発させた。
「行って！四人とも！」
「……。」
先ほど、すぐ近くで戦いが始まったと聞いた。今すぐにここを離れなければ危険である。そうは思っても飛竜の体力は限界だ。ならば、風素の勢いで私達四人だけをワールドエンドオールターに近づけようというのだ。
ドォォオン！
私、キリト、ユージオ、そしてリザレクは、風素の勢いで空を裂きワールドエンドオールターに直行する。シャリュマッテ様から貰ったものをしっかり携えて。
《アインクラッド流 細剣ソードスキル リニアー》
《アインクラッド流 短剣ソードスキル ラピッド・バイト》
二色の閃光が混ざり合い、両者の身体に電撃のような痛みが走る。
「そろそろ終わらせるわよ。」
「閃光…！」
アスナは細剣を構え、PoHを捉える。
《アインクラッド流 細剣ソードスキル スター・スプラッシュ》
まず一撃、軽く突く。受けられるのを気にせず一瞬で手を引き、また突き出す。それを幾度か繰り返して、PoHの体制が崩れるのを待つ。合計八連撃。
「そんなもんで倒せると思うなよ！」
ソードスキル終了後の硬直を上手く狙い、PoHのナイフが私の脇腹に飛び込む。
「痛っ！」
脇腹の痛覚が激しく痛めつけられている。しかし、それを気にせずにソードスキルを打ち出す。
《アインクラッド流 細剣ソードスキル パラレル・スティング》
ランベントライトに青い光を纏わせ、一瞬の間に三回打ち出す。少しヒットしたようで、PoHの右肩から血が滲む。
「閃光…そろそろこれが最後の一撃にしようぜ。」
「望むところよ。」
この勝負、敗北は絶対に許されない。キリトとアリスをワールドエンドオールターまで送り届ける。それだけは必ず完遂する。もし私の体に支障を来しても…。
「力を貸してくれる…？」
(うん！僕の技、しっかりヒットさせて！)
「ありがとう…ユウキ！」
《十一連撃オリジナルソードスキル マザーズ・ロザリオ》
私は地を大きく踏みつけ、空中で体を翻す。そのまま殺意を溢れさせる私達の因縁の敵に向かう。紫の尾を引き、まるで羽が生えたかのような飛翔。
「はあっ！」
細剣も紫の光を帯びた。それとと同時に私は、剣を三度打ち出す。剣の軌跡には十字架が浮かび上がる。剣の衝撃で、PoHの手からナイフが上へと離れていった。
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作成日時：2019年11月23日 12時
