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ワールドエンドオールターを目指して ページ31

ガチャガチャと鎧がかさばる音が周辺を埋め尽くす。その中心で、光の巫女。又の名を、アリス・シンセシス・サーティは愛剣を柄を優しく撫でていた。少し詰まる気持ちも、こうすればなんだか落ち着く。

「皆、作戦は理解しているな!」

ファナティオが、引き締まった皆の気を更に引き締めんと叫ぶ。今回の作戦は、いうなれば私の為のものだ。ダークテリトリー軍から私を守りつつ、ずっと向こうのまだ見ぬ土地であるワールドエンドオールターへ私を送り届けること。人界に残る整合騎士は、四旋剣とデュソルバートの僅か五人。

「デュソルバート、人界を任せるわ。」

真紅の鎧を纏った騎士は、深々とお辞儀をした。

「四旋剣、頼りにしている。」

並んだ四人は、ファナティオに向き直り、一歩踏み出して礼をする。

「それでは、陣形を伝える。アリスを陣形の中心に置き、菱形を組め。」

ファナティオから作戦を言い渡され、飛竜と整合騎士は次々と陣形を成していく。今回の作戦に参加するが、飛竜を持たないキリトとユージオは、私の飛竜とリザレクの飛竜それぞれに乗っていく。

「では、行くぞ!」

バサッ

あちこちで翼のはためく音が立つ。かなりの高度まで来たところで、ファナティオは叫んだ。

「前進!」

一気に加速。人界の上空を素早く縦断しつつ、ダークテリトリーへと私達は進み始めた。

「アリス。金木犀の剣の天命はどうだ?」

私と共に雨縁に乗るキリトは、金木犀の剣の記憶解放術等を行使しすぎた事を心配している。

「大丈夫です。この剣の属性は永劫不朽ですから。」

「そっか。あんま気負いすぎてもいいことないぜ。」

キリトはにやりと笑った。

「気を遣わせてしまいましたか…私もまだまだですね。」

「そんなことな」

突如、すぐそこにいるキリトの声すら搔き消す程の轟音が周囲に響いた。幸いなことに、その大音響は一瞬のことで、今は比較的静寂だ。

「全員、警戒しろ!」

響き渡るファナティオの注意。それを打ち消すか如く、何かが陣形の中を一閃した。

「下にさっきの剣士と似たようなやつらがいる!」

そう叫んだのはキリトだった。続いてユージオも言葉を発する。

「そうだ。なるべく分散させる為にここに追いやったんだ!責任を取ってここは僕が。」

「ダメだ。」

ファナティオがユージオを止める。

「なんで…!」

「ユージオ、お前の役目はこんなところじゃない。だからわた」

「私が行くわ。」

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作成日時:2019年11月23日 12時

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