開戦 右翼部隊 ページ1
東の大門は崩れ落ちた。多くのダークテリトリー軍が侵攻を始める。最初に戦闘が開始したのは…右翼前方部隊だ。
「システムコール。エンハンスアーマメント。」
デュソルバートは、熾焔弓に炎を纏わせた。三本の矢を引き…放つ。飛翔する不死鳥のように、空を駆け抜けた矢はゴブリンを蹴散らす。雪崩のように流れ込んでくるゴブリンの大勢は、ゴルゴロッソとデュソルバートによってほとんど薙ぎ倒されている。
「私は整合騎士デュソルバート・シンセシス・セブン。貴様らを、人界へ通しはしない！」
デュソルバートの強い威嚇は、ゴブリン達を激昂させた。
「白イウムが…殺してやる！！」
そう叫んだものの、一騎当千の整合騎士の前には炎の塵となってきえていく。
「そうだ…エルドリエ。私の矢は限りがある。無くなったらすぐに最前線を代わってくれるか。」
任せてください。そう言おうとした瞬間。複数の爆弾が投げ込まれた。導火線には既に火がついており、爆発する寸前である。しかし、爆発はしなかった。
シュウウウ
白い煙を上げ、煙幕として使われたのだ。
「エルドリエ、まずい！」
デュソルバートがそう叫んだ頃には、もう遅かった。多くのゴブリンは、前衛部隊をするすると通り抜ける。
「うわぁぁぁぁあ！」
兵士が叫んでいる。ゴブリンに倒された…いや、違う。仲間同士で殺し合っているのか！
「剣を振るな！見えない中で振れば同士討ちになるぞ！システムコール。エンハンスアーマメント！」
霜鱗鞭の武装完全支配術を発動し、周りの煙をどうにか晴らした頃には、残っていたのはゴブリン一匹だけだった。
「お前は…十候の一人か。」
右翼前方部隊が煙幕により突破された頃。右翼部隊のシャリュマッテにその情報が送られていた。
「そっか、報告ありがと！」
久しぶりの戦場に、血が沸き立っているのが肌身に感じられる。
「システムコール。ジェネレートサーマルエレメント。フォームエレメント。バレットシェイプ。ダブルインプレメンテンション。」
私の神器専用の式句を唱え、素因を光閃銃に装填する。
どどどど
ゴブリンの足音と思われる轟音が、耳に届き始める。
「まずは一発…上げとこうかな！」
引き金を引くと、銃口からは高熱が吹き出し超速で進む。熱素の弾丸は隊を組むゴブリンの中心に到達した。
「ディスチャージ…！」
言葉にならない轟音が響く。辺り一帯のゴブリンは全て消し去られた。
「もう一発…行くよっ！」
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作成日時：2019年11月23日 12時
