【おそ松さん】些細なことが、大事になりまして。【喧嘩松】

ことの事情 2。 ページ6

っ、血の匂い…。


　


あ……。


　


路地を進むうちに強くなる匂い。


　


次の瞬間俄然に飛び込んで来たのは、ボロボロになって気を失った男の人。


　


制服を着てるっぽいから、学生。


　


気を失ったっていうか…生きてる……？


　


一瞬、見なかったことにしようかと思った。


　


でも後で、“昨夜、赤塚町の路地裏で男子生徒の死体が…”なんてニュースが流れたりしたら…。


　


きっと一生、私はこのことを忘れなくなる。


　


重荷を背負って生きてくのは…いや、耐えられない無理。


　


よし、確認する。


　


心を決めてその人に向き直る。


　


だらんと垂れた腕を掴んで脈を測る。


　


……トク…トク……。


　


　


　


『よかった…』


　


　


　


自然に口から出た言葉。


　


死んでない。


　


いや死んでたらやばいんだけど。


　


安堵した後は怪我がどの程度か見る。


　


喧嘩した時になのか若干はだけている制服を、ごめんなさいと思いながら更に前を開ける。


　


うわ、すごい筋肉。


　


……じゃなくて。

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