【おそ松さん】些細なことが、大事になりまして。【喧嘩松】

不必要な言葉。 ページ24

私を守るように回された腕は暖かくて。


　


裏腹に、彼から放たれた言葉はとても冷たいものだった。


　


　


　


『…か、ら松…さん……』


　


「……すまない、遅くなった」


　


　


　


リーダー格の男は、カラ松さんによって既に床で伸びている。


　


一瞬のうちに間合いを詰めて、私を庇いながら殴ったんだろう。


　


周りの人間は呆然としている。


　


状況把握が追いついていないんだ。


　


彼の私に向ける視線は、とても優しい。


　


　


　


「こ、この…なんてことしやがる！！」


　


　


　


一人の男の声に、他の男たちも我に返る。


　


リーダーが倒れても、関係ない。


　


お前らに借りを返す。


　


そう言いたげな視線を浴びせられる。


　


この状況に、彼も黙ってはいない。


　


私から視線を外すと、冷ややかで静かな怒りを燃やした瞳をしていた。


　


　


　


「はーい、Aは危ないからこっちね？」


　


　


　


カラ松さんの腕の力が弱まったところを見計らってか、後ろからうちの学校の学ランをかけられた。


　


おそ松さんだ。


　


　


　


『あ、あの…私、ごめんな……


　


「なんでAが謝んのさ。悪いことなーんもしてねえよ。

むしろ怖い思いさせて、ごめんな？」


　


…おそ松さんたちが謝ることでも、ないですよ」


　


　


　



足でまといになるところだった。


　


彼らが本当に私を守ってくれるなら、人質になって足枷になるはずだった。


　


でもそんなことなかった。

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