Call the Knight (ページ9)

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ゲームの特訓ページ9

ｰまひと sideｰ

『まひちゃん、来たよ～』

ま｢いらっしゃい｣

『そらぴ～、キミは今日も可愛いね！』

そう言って僕の家に来るなり
僕と一緒にお出迎えした愛猫を抱き抱えるAちゃん。

ま｢もう、そらぴと遊ぶのは後！
　練習するんでしょ？｣

『は～い』

基本的に器用で何でもそつなくこなすAちゃん。

作詞作曲も編集も出来て、
絵も上手いしめちゃくちゃ器用なのに
唯一残念なのが…

『え？！あれ？！また死んだ？！』

劇的にゲームが下手。

ま｢そこはこうするんだって｣

『したよ？！』

ま｢タイミングが違うんだよ｣

『ゲームって難しい…』

ま｢他の事はなんでも簡単にこなすのにね｣

『あ～、ある程度できるようにならないと
　またばぁうくんにバカにされる…』

そう、何でAちゃんがこんなに苦手なゲームを
僕の家まで来て練習するのかと言うと
毎回ばぁうくんにいじられるから。

元々負けず嫌いなのもあるし、
ばぁうくんがAちゃんに勝てるのがゲームだけだから ←
必要以上に煽ってそれがAちゃんには耐えられないらしい。

ま｢じゃあもう一度やってみよ｣

『まひちゃんやってみてよ！
　私まひちゃんのやってるの見て研究する』

ま｢…そう言ってそらぴと毎回戯れてるの誰？｣

『うっ…』

ま｢じゃあクリア出来たらそらぴと遊ぼう｣

『頑張る！』

結局僕もAちゃんに甘いから
ついこうやって甘やかしてしまう。

…それで毎回R組に怒られるんだけど。

『うわっ、今惜しかった！』

ま｢だいぶコツ掴んできたじゃん｣

『本当？！』

いくらゲームが苦手で劇的に下手と言っても
もとは器用だからきちんと教えてコツさえ掴めば
そこら辺の人よりは上手くなる。

だから最初はばぁうくんにゲームで勝負挑まれて
負けてしまうんだけど
僕やてるちゃんと練習した後に対戦すると
ばぁうくんが負けることもよくある。

『まひちゃん！勝てた！』

ま｢凄いじゃん！｣

“これで次はばぁうくんを…”と
悪い顔で微笑むAちゃん。

『今度の定期もこれしようよ』

ま｢僕はいいけど…｣

『リスナーのみんなの前でばぁうくんを負かしたい』

…絶対また仕返しで意地悪されるのに。

気合い入れまくってるAちゃんの横でそんなことを思っていると
放置していた携帯に着信が入った。