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「なあによ…？」
「ううん…。
このまま和也と一緒に融けちゃえたらいいのに…って……」
ふはっ…と。
バカなこと言ってんじゃないよと言わんばかりに笑われて、きつく抱き締め直された。
切なさと甘さが混在する空気。
ふと呼び起された記憶は、あのスイートルーム。
そっか…
あの時も、和也の胸の中で『融けて混ざり合いたい』『境界線なんていらない』って思ったんだった…
懐かしい…
大事な想い出が、いつだって私に力をくれている。
「……」
「あのさ…。これは念の為にオレが言っときたいだけなんだけどさ…」
そっと顔を上げると、和也は天井を見上げていた。
左手の指先が、私の髪をゆっくりと梳いていく。
「Aが気に掛けるよーなことは、何っにもないよ」
「……」
「マネージャーが止めるのも聞かずに、オレが飲み過ぎただけ」
「和也…」
「だから、余計な心配は要らない」
「……」
つれなく聞こえる言い方。
だけど。
何かあった時に和也がこんな風に言うのは、お仕事や事務所絡みで私が立ち入ることができない話だとわかってる。
あの時…
私たちは同じ未来を手に入れる為に、それぞれ自分たちができることを精いっぱい頑張るって決めた。
それが和也と私が選んだ途。
ならば今は。
お互いが為すべきこと、できることを一生懸命にやる…
ただ、それだけだ。
「…うん」
目を閉じて微笑むと、一回り大きな左手が私の右手に重なった。
上からしっかりと指を絡め、力を籠めながら、顔を大袈裟に顰めた和也が、わざと嫌そうに苦笑する。
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
