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「今の電話ね、こないだ一緒に飲みに行った事務所の兄さんから」
「あ、そうだったんだ」
「何の用だったと思う？当ててみてよ。ノーヒント」
ニヤリと挑戦的な笑み。
「えー(笑)？」
最近一緒に飲みに行った方で、和也があんな喋り方をする事務所の先輩というと…
…あ！
あの方かな…？
朝の情報番組を持つ、兄貴グループのキーボード担当の方が思い浮かぶ。
でも…こんな時間から電話があるということは、何か急な用件？
電話の口調や和也の様子から、嫌な話ではないはずだと思う。
え、なんだろう…？
首を捻ってみるけれど、さすがにノーヒントじゃわからない。
「うーん…難しいよ、わかんない…」
降参して、少しだけ緊張しながらお味噌汁をお椀に注ぐと、私からお椀を受け取った和也がふふんと笑った。
「…ま、ちょっとした報告かなー」
「報告…？」
「そ。具体的なことはまだ言えないけど、おめでたいこと」
「そうなんだ！」
嫌な報せでなくてよかった！
思わず顔が緩む。
「おめでたいことなら、嬉しいね！」
「……」
「？」
「…や、なんでもない」
「？？」
じーっと私の顔を見つめて、何か言いたげな和也が苦笑した。
「？」
「…兄さんがね、言ってたの」
「なんて？」
「お前も頑張れって」
「なにを？？」
「……。さーね。なんでしょ(笑)」
「？全然わかんないよ(笑)？？…きゃっ///！！」
私もテーブルに着こうとしたら、いきなりぐいと引っ張られて胸の中。
「…だ、だめだよ、もう時間が…///！！」
さっきの続きのつもりなのかと思ったら、ただ、ぎゅーっと抱き締められて。
「か…和也？」
「……」
「……もう///」
よくわからないけど…幸せ。
そっと背中に腕を廻して私も抱きしめ返す。
…温かい。
こうしてずっと…一緒に居たい…
2人で過ごす、この時間とこの空間を守りたい…
私の居場所はここだもの―――――。
不意に、和也の腕が緩む。
顔を上げるとちゅっと触れるだけのキス。
「はーい、二宮さん充電かんりょーう(笑)！」
「よかった」
「んじゃ、しっかり充電いただいたんで、ワタシも頑張るとしますかね、いろいろと」
「うん、そうだね。私も今日一日、仕事頑張らなきゃ！」
胸を張ってみせると、ぶはっ！と吹き出した和也が、「んじゃ、そーいうことにしときます」と笑顔で私にデコピンした。
＋＋＋
『ラブ・ユー・オンリー』end.
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
