青城の男装少女は雨柱

8バレた ページ11

〜Aside〜



「えっ………」


　



そこにいたのは––––––––––


　





　





　




『歌楽さん……』

　

ヤバい。ヤバい。ヤバい。
　

　
どうしよう


　

「あのぉ、」


　
ぶりっこ口調で話しながら鍵を閉め、こちらへ歩いてくる



　

待って、僕が男だと思ってたからちゃんとしてたんだよね！？

　


女だって知られたら………



　


「雨森Aくんってぇ、」


近い近い…顔がぁぁ


　



　

　


「女の子だったんだね」ﾎﾞｿｯ



　


ひぇ、声急に低くなんの怖い



　




『訳あって男装してるの。お願いだから誰にも言わないで。』




　



「ふぅ〜ん、女子だってバレたら、A“ちゃん”困っちゃうんだぁ！」

　


　

まって、ちゃん呼びわざとだよね。



　

『み、皆には、な、内緒にして』



　
　

「じゃぁ、黙っててぇあげるからぁ夢愛のぉ言う事ぉちゃぁんとぉ、聞いてねぇ？」


　
　

『う、うん。なんでもきくから。秘密にして。』


　

「ふふっ、良いよぉ。」

　


ホッ。仕事押し付けられるくらいなら大丈夫だろう。


　

それで、秘密にしてくれるならお安い御用だ。


　


「言っとくけどぉ、ここのぉお姫様はぁ、夢愛だからぁ、邪魔しないでねぇ、Aくんにもぉ手伝ってもらうからぁ」

　

　


うん、だよね、そうくると思った。

　


『ちなみに本命は？』

　

　

「ええぇぇ、ひとりになんてぇ、選べないよぉ、みんなぁ私の王子様だからぁぁ…
　


でもぉ、強いて言うならぁ徹先輩かなぁ！」

　


『そっか、僕別に部員に興味ないから応援するよ。及川さんとの事。』

　

みんなのお姫様…

　

まぁ及川さんが好きってのは応援してやろ。
　

　
そのほかは知らない




　



　



　
　

「Aくんはぁ、夢愛のぉ、召使いだからねぇ！」


　

くくっと笑うと、奥にあったポーチを持って出て行った。
　


あれを取りに来たのか。

　



岩泉さん達がもう出ていたから、全員着替え終わったのだと思ったのだろう。


女子は別の更衣室があると聞いた。







不安はあるけど、まぁ大丈夫だろう。

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