30. 【7】 ページ44
ゆらり
と動いた空気。
そうそれは、
例えば睫毛が瞬間、震えるほどの微かなものだったけれど、
俺は、
俺にはそれを、逃すことは、出来なかった。
順調に飛行していた、午後7時46分。
感じた微かな、空気の揺れ。
それに気付いたのは、俺だけかもしれないけど。
その揺らぎを、辿った先にあったモノが。
辿った先にあった、ソンザイが。
ソレを、
その微かな微かな揺らぎを、
なかったことにすることを、拒んでいた。
一瞬前、
とは明らかに違う色をした、コックピット。
いや。
一瞬前とは明らかに、
違う色を纏う、“その” ひと。
うねりへと変わった揺らぎはさらに不安へと姿を変え、
その不安は確信へと変わり、
容赦なく俺に、迫りくる。
ナニカが
在る
確かに
在る
そのひとが
そのひとが纏う色が俺に
その予感が正しいと、告げている。
窓の外、
気持ちがいいほどに青く晴れ渡る空とは裏腹に、
俺を、コックピットを包むのは、
薄く、だけど確かにその色を濃くしていく、灰色。
なんだ...
何があるんだ......
鼓動は加速度的にその速さを増し、
首筋には汗が幾筋も伝い、
ぐっしょり濡れたグローブに包まれた手は、気付けば力の限りで操縦桿を、握りしめていて。
ココロに浮かぶ、
抗えないほどの不安に必死に抵抗しながら、
探す灰色の正体。
窓の外
目の前の計器類
座学で得た知識
経験で得た知識
俺のなにもかもを、
俺のすべてをフル回転させて探す、確かに在る、ナニカ。
そして。
そのナニカの正体に気付いた瞬間。
「......っっ！！うわっっっ！！！」
俺を襲ったのは、
下からぐわっと、
機体ごと身体を持ち上げられる感覚。
そして間髪入れずに今度は、そのまま真下に落とされる感覚が襲う。
未だかつて経験したことのない感覚と、
機体の縦揺れ。
シートごと、コックピットの外にはじき出されるのではないか、
そう感じてしまうほどに、機体は激しく、上下のアップダウンを繰り返す。
なんだこれ...
なんだコレ......
ナンダコレッッ！！！！
その揺れに、翻弄されるように俺のすべてはあっという間に。
完全に恐怖の色に、染められていった。
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みーこ(プロフ) - ふ、ふわふわ智に……かこーんがある！に、はあああああああ？な翔ちゃん……（笑）……猫ちゃんの飼い主探しのポスター……欲しい。 大事にちびちび読みたいです。おかえりなさいま (2020年11月14日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
沙菜(プロフ) - mioさん！更新ありがとうございます。コメント久しぶりでごめんなさい。やっぱりお空のお話の智くんとしょーくんはいいですね♪この二人の関係性、信頼感がたまらなく好きです。ちょっとしょーくんが切なくなっちゃってるけど、智くんの言葉を楽しみに待っています。 (2020年3月4日 22時) (レス) id: 81edae0004 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - mioさん、お帰りなさい。そして、ありがとうございます (2020年2月29日 23時) (レス) id: edc532eac7 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - みおちゃん、おかえり？いや、ありがとう！待ってたよ待ってたよ(#^.^#) (2020年2月29日 16時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 日生さん» 続→夢と希望と優しさを胸に、頑張って行きましょう！！……と、私もお返事しながら決意しております。こうして支えて頂けているから、また書いてみようかなと思えています。本当にありがとう。またいつでも、遊びに来てくださいね。本当に本当に、ありがとう。 (2020年2月29日 12時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2018年4月15日 9時
