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2.挟み撃ちには挟み撃ちを 4 ページ17

ドアが開く音がした。
瞬間的に意識がそこに惹きつけられ、私は目を開ける。
ニコニコ笑う、無害そうな男が立っていた。

「……もしかして…『召使い』?」

遠いからはっきりとはわからないけれど、その白髪は昨日見たばかり。
変なファッションも、左手の手袋も、昨日見たままだ。

「もう、タイミング悪いなぁ…僕ちんより嫌われるよぉ……?」

「あはは、それは困るなぁ。僕、車椅子の彼女から伝言を預かってきたんだけど」

縛り付けられた私はそのままに、彼等は話を始める。
死期は少し延びた、ということだろうか。

「えっ、モナカちゃんから…!?なに、なんて…!?」

マスクがゆらゆら慌てたように動き、ぴょこぴょこ跳ねる。
召使いが徐に手を上げ、私を指差した。

……え、私?

「『あのねぇ、蛇くん。モナカ、まだまだ遊びたいんだー。
だからね、あの…海内Aさんだっけ?は、まだ生かしておいてほしいの!
モナカのお願い、聞いてくれるよね?』……だってさ」

青年が少女の口調で喋っているのはかなり気持ち悪かったけれど、内容は割と希望に満ちていた。
まだ、生きられる。
その言葉は素晴らしく思えて、私は息を吐き出した。

「えぇ…ま、モナカちゃんなら仕方ないよねぇ……一回逃がしたら、もう一回捕まえていいんだ
よね?」

少ししかめっ面のまま、彼は私の拘束を解いていく。
自由の身になった私は、慌てて駆け出した。
お姉さんを助けないといけない、そう思った。

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巫女乃(プロフ) - さくな.jさん» コメントありがとうございます!とりあえず今日中には更新するつもりですのでよろしくお願いします! (2015年5月24日 16時) (レス) id: 96a9ea8a28 (このIDを非表示/違反報告)
さくな.j - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙続ききになるぅ(ノシ 'ω')ノシ バンバン (2015年5月24日 15時) (レス) id: 07e619e753 (このIDを非表示/違反報告)
さくな.j - 霧切大好きすぎる続きはよ (2015年5月22日 23時) (レス) id: 07e619e753 (このIDを非表示/違反報告)
巫女乃(プロフ) - さくらちさん» コメントありがとうございます!現在4時間授業なので、頑張って更新していきたいと思います。 (2015年5月5日 17時) (レス) id: 96a9ea8a28 (このIDを非表示/違反報告)
さくらち - 更新がんばってください! (2015年5月5日 12時) (レス) id: 3694e1b284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏夢 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年11月2日 0時

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