花街 島原 ページ9
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東の地から連れ去られ京の都へと連れてこられたA。
浪士たちに手を引かれAは大きな門を潜る。
その門は大きくてまだ体の小さいAからしてすると何か恐怖をも感じさせた。
もう決してこの門の外には出られない。
そのような事になるとは知らずに・・・。
一人の浪人は店の主人と何やら話をしていた。
Aは少し離れたところでもう一人の浪人を話が終わるのを待たされた。
少しすると話が終わったのか浪人と店の主人がこちらへやってきた。
「へぇ。ではこちらで預からせていただきます」
店の主人はAの肩に手を置くと浪士二人に頭を下げた。
浪士二人を見送ると主人に手を引かれ店の中へと入れられる。
煌びやかな着物を身に纏う美しい女たち
酒の匂い
紫煙の匂い
白粉に真っ赤な紅・・・
Aはこれから自分はどうなるのだろう・・・それだけを考えていた。
懐にある大切な簪を握りしめ、唇を噛みしめる。
里から逃げ延び初老と暮らし
そしてここ京の都に来るまでの間、Aはこの簪を手離すことはなかった。
-----千景様・・・
約束を果たすがため生きなくてはならない。
必ず彼に会わなければならない。
この日からAは籠の中の鳥となった。
女は美しく艶やかな姿をさらして道行く男を誘い込む。
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ルナ(プロフ) - え!終わりですか!?とてもドキドキしながら読みました…2人の思いがヒシヒシと伝わってきて本当に素晴らしい作品だと思います。読んでいて、自然に感情が盛り上がりました…読み手をここまで圧倒する作品など早々ありません…。続きを楽しみにしています。 (2018年1月10日 20時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もずく | 作成日時:2017年1月22日 1時