検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:55,706 hit

ホワイトデーはチョコのお返しで忙しいリア充に違いない。 ページ13

「――――見つけた!」

すれ違う時、確かに見たんだ。



あの人の目が赤く染まったのを。



その人は人気の無い非常階段へ隠れるように入った。

慌てて僕も追うと、

「っ…!?」

つけていた右手のリストバンド。その下に、幾つもの傷跡。

そしてその手首にカッターの刃を当てていた。

こ、これはヤバい!!

「おにーさんっ、何してるの?」

『!!』

振り返ったその目は一瞬だけ赤く、すぐに元の色と思われる黒い瞳になった。

『え、えっと…?』

「あぁごめん、別に怪しい者じゃないから!ただ…。」

僕はその人の顔を覗きこむ。

「さっき見かけたときに"面白い目"をしてるなと思ってさ。」

『え?』

そう言うとキョトンとした顔になる。

なるほど、この様子じゃ自覚してないみたいだね。

…それにしても、本当にキサラギちゃんが言う通りイケメンだ。きっとホワイトデーはチョコのお返しで忙しいリア充に違いない。

そんなことを考えているとその人は、

『そ、そうですか!俺、友達待たせてるんでそれじゃあ!!』

「え、ちょ待っ…速っ!」

そう言い残してとんでもないスピードで走り去る。

「も、もういない…。」

あぁ、たしかキサラギちゃんが"スポーツも出来ますし!"なんて言ってたっけ。

いやでも速すぎでしょ…!?


ふと、あの手首の傷を思い出した。

きっとあの人は、過去にあった"何か"を引きずってる。

それで…自傷行為を。

「…同情しちゃうなぁ…。」

僕も大嫌いな傷を隠すために色々考えたっけ。

なんだかますます放っとけないや。

「さて、僕も戻ろうかな。」

キドに報告もしないとね。



end,

file5,人造エネミー→←もう僕泣いちゃうよ!?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

稀羅(プロフ) - 生クリィ〜ムさん» エネちゃんかわいいですか、ありがとうございます!!これからもエネちゃんに注目してやって下さい!応援ありがとうございました! (2014年3月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 0a116ef314 (このIDを非表示/違反報告)
生クリィ〜ム - エネマジかわいいわー更新頑張ってね〜〜 (2014年3月28日 15時) (レス) id: 4489838bdb (このIDを非表示/違反報告)
稀羅(プロフ) - Luis Seidi Hissatomiさん» 応援ありがとうございます、今後もよろしくお願いします!!   稀羅 (2014年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0a116ef314 (このIDを非表示/違反報告)
Luis Seidi Hissatomi(プロフ) - 続き頑張ってください (2014年3月26日 16時) (レス) id: 795643eca4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:稀羅 | 作成日時:2014年3月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。