Kleinod Ⅴ (ページ12)

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個室に連れて行くのは危険だと判別し、田中と松村を食卓横にあるプチスペースのソファーに寝かせる。
ジェシー「…ねぇ大我、…処刑、だったら、どうするの」
すぐさま部屋を出て行きそうだった彼を引き留めるように、声を出す。
京本「受け入れるしかないんじゃない」
ジェシー「大我はそれでいいのかよ！」

京本「…ねぇ、ジェシー、俺たちがここで足掻いて足掻いて、例えば厳重注意で済んだとしてさ、俺たちこれからちゃんと今まで通り活動出来ると思ってる訳？」
ジェシー「…っ、それは…」
京本「高地がいない、「化物」の俺たちが、これまで通り生活出来ると思ってんの」
ジェシー「…でも、ここで死ぬのは、やだよ…」
京本「どうしようもないじゃん。恨むなら高地を恨めば？」

ジェシー「諦めたような事言わないでよ！まだ戻って来てくれるかもしれないじゃん！」
京本「…そんな筋書き、夢の中でしか起こらないよ」
ジェシー「大我の馬鹿！俺まだみんなとやりたい事いっぱい残ってるのに！」
京本「じゃあ今日の夜にでも逃げれば？」
ジェシー「「6人」いなきゃ駄目なの！」
京本「もう「6人」は揃わないんだよ、現実見ろよ！」
森本「…もう、やめてよ2人とも…」

ヒートアップした言い争いに、森本が困惑の声をあげる。
京本は後ろめたい顔をして部屋を出た。ドアを閉める音がやけに大きく聞こえた。
森本「…ジェシー…」
ジェシー「…ねぇ、何でこんな事になっちゃった…？」
視界が滲む。顔を伝う温かいものを拭う事も出来ずに、立ち尽くしたまま、ジェシーは心配そうに声をかける森本の方を見れないままでいた。