【鬼灯の冷徹】鬼灯さんの恋人【鬼灯】

第１話 ページ2

〜泣いた時のこと〜



「でも、本当にいいです。私なんかに気使わないでください」


そう言って微笑む。


･･･ちゃんと笑えてただろうか。


鬼「なんで、泣いてるんですか」


「え？」


泣い、てる？


笑ったはずなんだけどな･･･。


鬼「泣いてますよ」


目元を拭う。


あ。本当だ。


「･･･雨ですよ。泣いてないです」


そもそも、こんな泥だらけの姿いつまでも見ててほしくない。


「すみません･･･失礼します」


横を通って、去ろうとする。


鬼「待ってください」


低い声と共に手首が掴まれる。


鬼「そんな泥だらけでどこ行くんですか。こんなに雨降ってるのに」


行く場所なんか、ない。


「さぁ･･･？どこでしょうね」


お願いだから、離してよ。


もうどこかへ消えたい。


鬼「言うまで離しませんよ」


･･･しつこいな。


「関係、ないじゃ、ないですか･･･っ」


今度こそ、本当に泣いてしまう。


「離して、くださっ･･･」


ぐいっ、と引っ張られる腕。


鬼「嫌です。離しません」

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