近くて、遠くて。 (ページ3)

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『Aがボケーっとしてるからだろ』

｢元はといえば慎太郎が家から出てくるのが遅かったんじゃん｣

『それは関係ありません～』

｢すぐ私のせいにするのやめてもらっていいですかぁ？｣

『だってAのせいだもん』

結局チャイムは鳴っちゃって、
廊下ですれ違った先生に入学早々注意されてしまった私たち

｢そんなんじゃ友だちできないと思うよ｣

『残念ながら俺はできちゃうんだな～』

なんていつも通り言い合いをしながら
教室のドアを開ければ集まる視線

シーンとしてるから多分私たちの言い合いは丸聞こえだったみたい

『ほらAがうるさいからみんなびっくりしてる』

この静かな空間でもなお、
会話を続けようとする慎太郎

私はさすがに恥ずかしくなって
拳で殴るふりをしてこの会話を終わらせた

初めましての人ばっかりなんだし、
中学のノリを続けてもいけないなって１人で反省をした

朝礼はまだだろうしこの静かな時間何しようかなって考えてたら

ポコって頭に何か当たった気がして振り返れば

｢(慎太郎！やめて！)｣

ニヤニヤした慎太郎がこっちを見てたから口パクで怒ってやった

慎太郎が投げてきた紙くずを回収して、
また前を向いたのに今度は後ろから何か頭に当てられた

中学同じ人だったら席に着く段階で気付いてるはずだし、

｢....だれ、？｣

おそるおそる後ろを振り向いた

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