dream of (ページ23)

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「ママパパお疲れ様～！」

第二の両親と言っても過言ではないこの2人

食べるものはおつまみくらいしか置いていないのに

ほぼ毎回おにぎりとかを渡してくれる

手作りの料理の日もあれば、コンビニの時もあるけど
私たちなんかにこんなに優しく接してくれるから本当に有難い

卒業する日までここ以外で働かないからね、ママ、パパ……

「樹も早く帰ろ、寒い」

田中『はあ？お前もう忘れてんの？』

「は？って…あー、樹が奢ってくれるんだっけ！」

田中『そうそうそうそう、だから早く行くぞ』

いつもバイト終わり一緒に帰るのとは別の方向

賑やかな街に向かって、樹に腕を引かれて歩き出す

樹が腕を引いてくれているから何も考えなくても足が動く

ネオンで色付いている空から覗く月が綺麗で
空を見上げながら歩き続ける

「ねえ樹何食べる～？私おでんの気分」

田中『うわ、いいねおでん』

「どっか予約してる？」

田中『うん、あ、もう中入ってるらしい』

「へ～……え？？え、2人じゃないの？」

“ここだ”と言って立ち止まる樹に思い切りぶつかってしまう

いやいや、言って欲しいよね止まるなら、
危ないんだから

…っていやいやそこじゃなくて

田中『ん？ここだって』

「いや、ねえ他誰かいるの」

田中『だって俺“2人で”とか言ってないし』

取って付けたような笑顔を見せてきた樹が店員さんに出した名前

田中『あ、予約してた京本です』

なんで……？

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