dream of (ページ22)

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「いらっしゃいま…、あれ、お疲れ」

田中『おっつ～』

皆でお昼を食べて、その後すぐ

バ先に移動して働いていたら現れた樹

「今日シフト入ってったっけ？」

田中『ねえ～もっと俺に興味もちなよ～』

今お客さんがいないのをいいことにバックヤードに戻れば
確かに15時～20時の欄に樹の名前があった

平日の日中の時間帯に被ることなんて滅多にないから

わざわざ確認すらもしてなかった

私と樹が働いているのは繁華街に位置している酒屋さん

とはいえ、ご夫婦で経営されている店だからバイトは私と樹の2人だけ

本当に早いもの勝ちみたいな感じだったらしく
同じ大学、同じ学年、そんな樹と一緒に働けていることが割と有難い

田中『今日お前も20時上がり？』

「うん、そうだけど」

前掛けを結びながらそう聞いてきた樹

いつもこんなこと聞いてこないくせに、

何を企んでいるんだ…？

田中『飲み行こうぜ』

「…明日2限からなんだけど」

田中『大丈夫大丈夫そんな遅くなんねえって』

「樹の奢り？」

田中『まあまあまあ』

「ねえ、奢りじゃ、」

田中『あ、いらっしゃいませー！！』

不敵な笑みを残して表へ出ていった樹

本当に何のつもり…

夕方以降は通りの居酒屋にお酒を運んだりで忙しくなる

だから上がる頃にはすっかり樹の誘いも頭から消えていた

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