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銀河鉄道に乗って/gr ページ45

銀河鉄道に乗って



がたん

ごとん

がたん

ごとん

電車が走る音で目が覚めた。
小刻みに揺れる体と、木製の椅子。
何処からか、熟れた林檎の香りがする。

「おはよう、グルちゃん」

声をかけられてはじめて、目の前に女性が座っていたことに気がついた。

「あぁ、Aか。久しぶりやな」

不思議と、驚きはしなかった。
何年ぶりの再会か。もうすぐ、10年になるんじゃないだろうか。

「昔と全然変わってないのね」

そう言いながら、髪を耳に掛けながら笑う。その仕草があまりにも昔と同じで、少しだけおかしかった。

「お前もな。
……いや、昔より綺麗になったか?」

大人びた顔と、少しだけ伸びた背丈。
制服を脱いだ彼女は、魅力的な一人の女性となっていた。

「ふふ、相変わらずたらしなんだから。知ってる?学生時代、グルちゃんの言葉ひとつひとつに、すっごくドキドキしてたんだから」

がたん、ごとん。

車窓から外を見るその横顔は、どこか儚げで。
……今にも消えてしまいそうだった。

「……ほお、綺麗やな」

彼女を真似て車窓を見れば、そこには一面に銀河が広がっていた。
これは、まるで、

「銀河鉄道の夜みたいやな」

がたん、ごとん。

電車は止まらない。

彼女は星々を見つめている。

林檎の香りは、いつの間にか消えていた。

銀河鉄道で送って/gr→←言葉の必要最低限/zm



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田螺(プロフ) - 夜風さん» 夜風さん、ありがとうございます…!勿体ないお言葉をたくさん頂きまして、感無量です…;;そのように思っていただけるなんて嬉しいです…。ご期待に応えられるよう次作も頑張ります! (2017年12月20日 21時) (レス) id: 755aeb3c0d (このIDを非表示/違反報告)
夜風(プロフ) - 完結おめでとうございます。短編集の中で、作者様の作品が一番好きで毎日更新を楽しみにしていました( *˙˙*)それぞれのお話の独特の世界観に引き込まれる感じがして読み込んでしまう魅力が凄いなぁといつもROMりながら思ってました(笑)また新作も楽しみに待っています (2017年12月19日 22時) (レス) id: 8e491b616a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田螺 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月23日 18時

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