勝利を貴方の手に/gr ページ33
勝利を貴方の手に
勝利の女神。
偶像ではない。伝説でもない。
それは、たしかに存在する。
「はじめまして、お嬢さん」
破られた静寂。
開けられたドア。
白い質素な部屋に、遠慮なく足を踏み入れる男。
その瞳は、部屋の中央の椅子に腰を下ろす女を捉えていた。
「あら、はじめまして」
調和された純白の空間に侵入してくる黒を前に、女はたおやかに笑う。
「この国は滅んだ。敗戦国は貴殿に似合わない」
流れる低音。
はっきりと、聞く者の心を捕らえる音。
「俺と共に来てくれないか」
輝く金の髪がかかった瞳が揺れる。
有無を言わせぬ、大きな圧力。
「えぇ、仰せのままに、新たな王さま」
静かに微笑み、彼女は差し出された手をとった。
勝利の女神が、また、新たな国の元へと渡った。
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田螺(プロフ) - 夜風さん» 夜風さん、ありがとうございます…!勿体ないお言葉をたくさん頂きまして、感無量です…;;そのように思っていただけるなんて嬉しいです…。ご期待に応えられるよう次作も頑張ります! (2017年12月20日 21時) (レス) id: 755aeb3c0d (このIDを非表示/違反報告)
夜風(プロフ) - 完結おめでとうございます。短編集の中で、作者様の作品が一番好きで毎日更新を楽しみにしていました( *˙˙*)それぞれのお話の独特の世界観に引き込まれる感じがして読み込んでしまう魅力が凄いなぁといつもROMりながら思ってました(笑)また新作も楽しみに待っています (2017年12月19日 22時) (レス) id: 8e491b616a (このIDを非表示/違反報告)
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