【HQ!!】逢瀬に溺れる

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「天夜ちゃーん！ こっちドリンクよろしく！」



『は、はい！ 今すぐ！！』



「天夜さん、新しいタオル貰える？」



『はい！ こちらにあります！』



「天夜ちゃん！ こっち！」

「天夜さーん！ 次こっち来て！」

「あれ、天夜ちゃんはー？」


「＿＿＿＿A？」



『あ、あれ？ 翔陽くん、ドリンク終わっちゃった？』



空耳みたいに、まだ天夜、と私を呼ぶ声が聞こえる。



合宿1日目。
私はいきなり、想像を絶する忙しさに、なんで私は分身の術を使えないのか、本格的に悔やみ始めていた。



「お昼食べるって。仕事はまた後で大丈夫だから、とりあえず集まれってさ」



翔陽くんが、「大丈夫か？」と心配そうな顔で覗き込んでくる。



『お、お昼……もうそんな時間か……』



お昼という言葉を聞いた途端、ぐうううとお腹の虫が主張をし始めた。



「はやく行こうぜ！」



翔陽くんが疲れを滲ませない笑顔を振りまきながら、私の手首を掴み、ぐいぐいと食堂まで案内してくれた。




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