#任務 ページ4
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「………では、A、無一郎、杏香。三人とも頼んだよ」
「「「御意」」」
その後、お館様がいらっしゃり私たちに任務を言い渡した。
私と無一郎は浅草へ、
杏香はずっと北の山奥へとのことだ。
……いや、うん、
「Aはいいなぁ、無一郎くんと浅草に一緒に任務だなんて」
「ごめんね、なんか」
「まあお館様に言われたなら仕方ないからね」
と、存外早く彼女は引き下がり急ぐようにこの場から立ち去っていった。
そのことに安堵しつつ、私は無一郎の元へと歩みを進める。
「……無一郎」
「何?」
「さっきの話、信じた?」
と聞くと、彼は一瞬言い淀んだ後に首を振って否定した。
どうでも良さげに雲を眺め始めた彼の腕を引っ張って、任務に行こうと催促する。
「ほら、行こ?」
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「そっちいた?」
「いや…雑魚が二匹だけ。だけど、何だか変な気配がする」
「炭治郎くんの話を聞く限り、無惨は恐らく別の場所へ移動しただろうから……」
今回は全く無関係の鬼。
特に、暗い路地裏で争ったような形跡と不気味な血溜まりが確認された。
………十二鬼月ではない。
痕跡を隠そうとする意志が見受けられないからだ。
「Aで誘き寄せるのが早いんじゃない?」
「………あのねぇ…」
「だって僕は男だし、血も普通だしさ?」
「一目で気に入ると思うよ」と微笑まれながら言われても、全く嬉しくない。
……無一郎も見た目は美少女だし、
多分私じゃなくても通用すると思うんだけど。
「でも、もし僕が鬼だったとしても、Aのこと喰いたいなぁって考えると思うよ」
「だって凄く可愛いから」
あれ、珍しい。
私のことを褒めるなんて、どういう風の吹き回しだろ?
「…性格はクズだけど」
「ちょっと見直した私がバカだった」
くすくすと小馬鹿にしたように笑う彼を横目に、私は刀をちらりと見やる。
鬼に勘付かれないように羽織を被せ、私は彼の方を向いた。
「ど?」
「うーん…もう少し未亡人っぽい表情がいいんじゃない?あ、そうそう」
「これで釣れたら鬼の性癖疑うわ」
そう冗談を言い合って、私たちは二手に分かれた。
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Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時