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#鬼 ページ5

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私は暗い路地裏を一人で歩く。

悲壮感を漂わせるような顔つきで、ゆっくり相手に準備させるように。






「お、イイ女がいるなァ」


「……」






すると、建物の影から化け物が現れた。

舐め回すように私を見て、ペロリ舌舐めずりをする。






「美味そうだなァ、先日食べた奴よりも肉付きがいい……」


「…あ、そう」


「動じないのか?そういえば、今日は他の鬼に食事の邪魔をされなかったが…、」






はた、と手を止める鬼。

その考えに至る前に、私は刀を抜いた。






「梅の呼吸 参ノ型 梅見月」






脚に力を込め一瞬で間合いを詰め、鬼の首へと刃を振るう。

そのとき、私の速さに反応し鬼は爪を向けたが、それを悠々と避け首を刎ねた。






「あ、A終わった?」


「うん。………あれ、その子は?」


「怯えて隠れているところを保護した。あの鬼、何人か保存食として置いていたみたい」






無一郎と手を繋いでいる、まだ幼い女の子に私は屈んで笑いかける。






「もう大丈夫だよ」






そう頭を撫でると、子どもは琴線が切れたように泣き出してしまった。



あやすように小さい体を抱き締め、とんとんと背中を叩く。

間近で聞こえる哀しい嗚咽に、何とも言えない複雑な気持ちになってしまった。






「…泣いてないで、さっさと行くよ」


「はいはい。っと、大丈夫?家まで送ろうか?」


「ひっく、ううん、じぶんでかえれる」






辿々しく頷いて、子どもは私たちにお礼を言い人混みへと消えていった。

暫くして帰ろうと腰を浮かした私に、無一郎は声をかける。





「ねぇ、A」


「ん?」


「宿を取ったから、一緒に泊まってかない?」









………は?


え、なに、いつ取ったのそんなの。






「部屋一つしか取れなかったけど、まあ別にいいよね」


「えっ」






思わず絶句した。

#色気→←#任務



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Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時

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