ぼくらのきずな【気象系】 (ページ6)

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過去と現在の狭間４ページ6

雅紀side

夕方、学校から帰ってきて
もうずーっと、潤を見ています

ソファで静かにテレビを
見ている潤を見ています

今見てるのは、ドラマかな？

リビングは超静か

智さんはまだ仕事だし、
翔くんは勉強してるし、
和くんは部屋でゲームしてたし

雅「…ねぇ、潤。そのドラマ、おもしろい？」

潤「…んー、わかんない」

正直、面白くない気がする

俺個人の感想だけど

まあ軽く１時間弱、
人間観察ならぬ潤観察を続けた

智「ただいま～」

あ、智さん帰ってきた

雅「おかえりなさーい」

潤「……」

雅「あっ、コラ、潤！」

ふと潤が動く気配がして、
後ろを向くと

そーっと部屋に戻ろうと
している悪ガキ潤くんを発見

雅「ちょうど智さん帰って来たんだから、診てもらお」

潤「…っ、いいっ！」

智「はい、すぐに終わるからね～」

智さんは医者だ

朝、俺が泣かせたことを
伝えておいた

潤が泣くってことは、
何かと不安定だからね、大変なの

まだ自制が効くうちに、と思ったけど

逆効果だったみたい

智「もうちょっとで終わるから、じっとしてて」

雅「潤、じっとしてないと余計に長引くよ」

少し脅し気味に言うと、
悔しそうに俯き、大人しくなった

その隙に智さんは、
脈測ったり、目の裏を見たり

ちゃちゃっと済ませてくれた

智「…よし、今のところは問題なし」

雅「あとは夜だけ、か」

潤「…もう、いい、でしょ…？」

二人掛かりで診察されて
怖かったのか、僅かに震えている

泣きそうなのか、
俯いた顔を上げてくれない

雅「…智さん、部屋に連れて行きますね…」

智「ん、ご飯できたら呼びに行くからね」

雅「…はい」

ゆっくりと手を引き、
潤の歩くスピードに合わせて
部屋に戻った

長めの前髪が邪魔して、俯いている
潤の顔を見ることが出来ない

雅「…潤」

未だ俯く彼の名前を呼んだ