【銀魂】己の行く道 変わらぬ絆【土方十四郎】

話にならない ページ11

面倒臭い。非常に面倒臭い。一刻も早く帰りたい眠りたい勘弁してくれというオーラをもんもんとかもし出しながら、「はい、お兄さーん、ちょっといいかな〜」なんていう気の抜けた声を倒れている男にかけた。


？「うーん……おりょうちゃん…？」


「誰がおりょうちゃん？」


完全に酔っぱらってるよコイツ。出来上がってるよコイツ。なんだよ最上級に面倒臭い。恐らくおりょうちゃんとはポニーテールのキャバ嬢さんの後ろでこの男をゴミでも見るような目線を向けている人のことだと思う。そしてその人が多分この男の被害者なのだろう。


さっさとしょっぴいてさっさと終わらせようと、「はい立ってくださいな〜」とその男の腕を持ち立ち上がらせようとする。


？「どっこらせ……あー……流石に飲みすぎたぜよ。こりゃ二日酔い決定じゃ…陸奥にどやされるのぅ…」


…アレ。


何この聞いたことのある口調。その声で私の眠気は一瞬にして消しとんだ。その代わりに尋常じゃない量の冷や汗が流れ始める。え、え、嘘でしょ嘘だと言ってくれ誰か。


「…え、と……あの…」


？「ん？…あり？」


立ち上がったその男とパチリと目があった。銀時に負けないほどのぐりんぐりんの髪。そして口調。サングラスをかけているが、すぐにわかった。


「あああ！！」

？「ああああ！！…誰だっけ」


「って忘れてんのかイイ！」


そう。その男はまさかまさかの、攘夷戦争を生き残った伝説の攘夷志士、声のデカイ人、もとい、桂浜の龍。坂本辰馬、その人だったのだ。

私の叫び声が夜の歌舞伎町に響き渡った。周りの傍観者達がなんだなんだというように視線をこちらに集めてきたが、私はそれどころではなかった。


「え、ちょっとその人知り合いなの？」


と、怪訝そうな顔で聞いてくるキャバ嬢さんに私はなんとも言えない笑顔を向け、「あはは…」とだけ返した。うん。知り合い。めっちゃ知り合い。なんでだ。なんでこんなことになるんだ。


「じ、じゃあその…あ…こ、この迷惑男はこちらの方で預かりますので、安心して業務に戻ってください〜」


「あ、はい…」


と、私は一気にそう言い終えると返事の言葉を待たずに辰馬の腕を引いてネオンに輝く街を進む。


辰「なんじゃなんじゃ、ナンパか？」


「ふざけないで、誰がアンタみたいなバカナンパすんのよ」


辰「最近流行りのツンデレか！あっはっはっ！」


…話にならない。本当に話にならない。誰か助けてくれ。そう切実に願ってみるが、誰も助けてはくれない。なんて冷たい世の中なのだろう。

セクハラ→←眠いんだから仕方ない

銀魂！ラッキー敵キャラクタアアア！！！

神威

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