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ヅラ ページ2

「ヅ、…ヅラアアアア!?」


私のそんな驚愕に満ちた叫び声が、かぶき町に轟いた。そして、


桂「ヅラじゃない!!桂だアアアア!!!」


……続いてアホの叫び声も響き渡った。かぶき町に立ち並ぶ建物に反響してエコーして聞こえてくる。耳をつんざくようなそんなバカでかい声でそう訂正して見せたのは、紛れもなく。


土「桂アアア!!今日こそはお縄に掛かって貰おうか!!」


ロンゲを風になびかせ、私達真選組が集まる場所の目の前に聳える二階建ての建物の屋根の上に仁王立ちで立っているソイツ、『狂乱の貴公子』『逃げの小太郎』との異名を持つ、


「……こた、ろ…ぅ…」


……私の幼馴染み、桂小太郎だった。


ソイツの居る場所を見上げ、私は目をまんまるく見開かせる。昔と変わらないうざったい長髪を揺らし、腕を組んで私達を見下ろしている。


桂「ハッ、しまった気づかれた…!!己幕府の犬共め…!!」


山「いやお前が勝手に叫んだだけだろ!?」


慌てて身を翻す小太郎に空かさずザキの容赦ない突っ込みが入る。うん。だって小太郎が勝手にあの耳が腐るほどに聞いた名台詞を叫んだばかりに見つかったのだから自業自得だ。


……そんなことより、本当にこんなことが起きるなんて。

銀時に続き、小太郎まで再び私の前に現れるなんて。どんなミラクルだよ。それに、……今となっては同じ戦場で戦ってきた小太郎と私は、指名手配犯のテロリストと警察という間逆の立場になってしまっていた。そう考えるととても不思議な感覚だった。


土「…オイA…?」


「は、はい…!?」


土「……『ヅラ』って、なんだ」


「……ハッ…」


いぶかしげに私を見つめる土方さんに私はハッとする。しまった。ついつい昔からのクセで『ヅラ』と呼んでしまった。敵対している立場でありながらそんな馴れ馴れしい呼び方したらそりゃあ怪しまれるよね。私がバカでしたごめんなさい、だからそんな目で私を見ないで土方さん。


「……え、と…」


どうやって誤魔化そうと目を泳がせる。それを追うように土方さんの目線が私を貫いてくる。ごめんなさいごめんなさい謝るから見逃して。


「えーっと……!」


と、私は不意に視界に入ったソレに勝機を掴んだ。


「あ、あの人!ヅラです!!」


ビシッ、と指差した方向には明らかにヅラだろと言える、若干ヅレたかつらを頭にのせたサラリーマンが歩いていた。


土「…いやお前、それは見なったことにしといてやれよ…」


……なんとか切り抜けた…。

忌々しい→←あらすじ


銀魂!ラッキー敵キャラクタアアア!!!

神威


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設定タグ:銀魂 , 土方十四朗 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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獅子の子(プロフ) - 喜んで頂けて幸いです♪ (2017年6月3日 21時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 獅子の子さん» わわ!こんなにたくさんありがとうございます!!私じゃ考え付かないような素敵なタイトルばかりで目から鱗というか…!!どれにするか迷っちゃいますね…!!ありがとうございました!続編も全力で行かせて貰いますので、よろしくお願いします! (2017年6月3日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - のではないかと考えてつけました。長ったらしい説明の割には低クオリティで申し訳ないですm(_ _)m 続編のストーリー、楽しみにしてます。更新頑張ってください! (2017年6月3日 13時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - 「紅」とつくので…… 最後、五つ目はこれまた夢主の通り名「舞姫」に由来しますが「舞」というその言葉は美しく聞こえるものの、夢主の「舞」はそうじゃない。幾千もの命を斬ってきた忌まわしき舞、穢れた舞だということを夢主自身がそう思ってしまっている (2017年6月3日 13時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - また、二つ目は二人が打ち解ける(心を許し合い、互いに気にかける)中で枷になる、夢主のじょうい戦争時代と、土方さんがミツバさんを突き放した過去、二人の過去が関係してくることをイメージしました。三つ目のイメージは二つ目とほぼ同じですが、夢主の通り名に (2017年6月3日 13時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/  
作成日時:2017年4月29日 20時

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