入間銃兎から逃げる２４時

じゅうわ ページ10

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「駅、駅！！」




人が流れる方に沿って走っていくと駅が見えた。制服は目をひく、とりあえず私の住む池袋まで戻りたい。




人混みをかき分け券売機の前に立つ。聞いたことの無い駅名だったが、新宿駅乗り換えで池袋駅に着くことが出来る。





お金、と慌ててポケットを探った。


…！！




あるはずがない。財布は鞄の中に保管してある。私が目覚めた時、鞄は無かった。







「さ、最悪っ…」




体の力が抜け、人目をはばからずへたりこんだ。背中に冷たい視線が刺す。



このままでは通報されてしまう。制服をきた泣き崩れる女子。誰がどうみたっめ危険だ。









「…うぅ」




お腹が減った。疲れた。予習やらなきゃ、復習も。英語の単語予習もまだやっていない。私から勉強をとったら、ないもない。




真面目じゃない私なんて、生きてる価値がない。







「っ？！」



ふらりと人通りの少ない道へ入った瞬間、猛スピードで走ってきた車がぴたりと止まった。



そこから長身の男が出てきてあっという間に私の体を車に引きずり込まれた。

鮮やかな手口。






揺れる車の中、私は複数の人の気配を感じ思わず身を強ばらせた。




誰…？









「捕まえましたよ」



街灯に照らされ、メガネのフレームがきらりと怪しく光った。暗闇の中、赤い手袋がちらりと見える。









「っ銃兎さん」








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