にじゅうご ページ25
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「ああああ、あの、あ、わ、私。よ、用事、を思い出したので!!」
思いっきり挙動不審になりながら思わず叫ぶ。
慌てて立ち上がり頭を下げた。ゲームを最後までやりきれなかったこと、課題を教えれなかったこと、治療してもらったこと。
ごめんなさいとありがとうございますをそれぞれ叫ぶと私は大慌てで山田家から逃げ出した。
私を呼び止める声もしたが、なりふり構っていられない。
私を探す人なんて入間さんしかいないだろう。
あれだけクギを刺されたのに、逃げ出してしまった。
私は怒りるという行為に慣れていなかった。日々真面目にやって来て、怒られることなんてほぼ皆無だった。
「どうしようどうしよう」
怒られるのが怖いから逃げ出すなんて、なんて子供じみているのだろう。
そんな自分に嫌気が指したが、足は止まらない。
池袋駅まで走り、私はバスへと駆け込んだ。衝動的な行動だった。とにかく、逃げたいと。
スカートの中にある小銭を確認した。210円。とりあえず210円で行けるところまで行こうと、私は席に着いた。
……降りた場所は渋谷だった。西口に降りた私はそのままフラフラと歩き出す。
軽率すぎたと反省しつつも、どうすればいいか分からない。
アドリブに弱くて、常に指示がないと焦ってしまう。私はそんな人間だ。教科書人間。自分で考えるとロクな目に合わないのだ。
下を見ながら歩いていると、人通りの少ない道へと入っていったしまった。
でも、今は人が少ない方がいい。人が多くて騒がしいと、頭の整理が余計につかない。
ふとゴミ捨て場が目に入った。路地裏にあるものだ。すべてはこれから始まった。
ゴミ捨て場。なぜ、私は横浜のゴミ捨て場で寝ていたのだろう。
「…人いないし」
小さく言い訳しながら、私はそっとゴミ捨て場に横たわった。臭い匂いが鼻を掠める。ここで目を開けたら、私の部屋に戻っている。
そんなことを期待しながら、目をぎゅっと瞑った。
「姉ちゃん仲間か?」
ガサガサと隣でゴミ袋の山が動いた。ギョッとして目を開けて横を見る。
ゴミ袋の隙間から人の腕がにょきりと出てきた。
「ひっ?!」
…そこにはパンツ一丁の青髪の男がひとりいた。
青髪がとても綺麗な印象を受けたが、身なりが小汚い。
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リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - ふぅぅ………… …すき。 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - ルイさん» お待たせしてしまって申し訳ありません、続編の更新の準備が整いましたのでぜひ見てください! (2020年1月15日 20時) (レス) id: 6dc6009444 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - この作品大好きなので、続編を作って頂けるなんてとても嬉しいです(#^.^#)楽しみにしています^^ (2020年1月5日 9時) (レス) id: 7f74208646 (このIDを非表示/違反報告)
まま松2(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!楽しみと言って頂けて良かったです!無理せずバンバン更新していきたいので、応援宜しくお願いします! (2019年12月31日 12時) (レス) id: 8fb33f3543 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 次の更新が楽しみすぎてヤバいです!!!((((*゜▽゜*))))無理せず更新頑張ってください(っ´ω`c) (2019年12月31日 2時) (レス) id: 8776df8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まま松2 | 作成日時:2019年8月19日 20時