十四頁目◆ ページ17
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今日は、Aの誕生日だった。何時も冷たく当たってるから、たまには何かを買ってやろう。そして「善く頑張ったな」と云って、頭を撫でてやろうと思っていた。
けど、Aは俺を観て逃げ出した。突然の事で吃驚したが、Aが今にも居なくなってしまいそうな気がしてたまらず追い掛けた。
何時そんな逃げ足を付けたか分からねぇほど、Aの足は速くなっていた。体力もついて、目隠しして走ったら誰だか判らないほどだ。
Aは、俺の部屋に逃げ込み、鍵を掛けた。何度か扉を叩いたが、反応が無い。――少し、怖くなって扉を鍵で開けると、Aは泣いていた。そして、よく判らない封筒を持っていた。其処には【中原中也様】と大きくマジックで書かれている。
少し近付くと、Aはその封筒を投げつけ、窓の枠を掴む。下はコンクリート。間違って落ちたりでもしたら、死んでしまう。――けど、Aは俺に「さよなら」と云いながら、俺を観て外へと身を投げ出した。
俺は急いで手を指し伸ばしたが、Aの手を掴めず、空虚だけが残る。その直後、コンクリートに何かが当たる音がした。下を見ると、横たわるAの姿。けれど、Aの背中からは羽を描くように血が広がっている。
俺は、何時の間にか叫んでいた。
「A!!」
Aの名前を幾ら呼んでも、Aは目を開けない。下からはエリス嬢の叫び声が聞こえる。
「何でッ……何でだよッ!」
俺は其処で、泣き崩れた。大の大人が、声を上げてガキみてぇに泣き叫んだ。足元を見ると、Aが投げつけて来た封筒。封筒の中身は、遺書だった。
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霜月白雨@狂人(プロフ) - 華さん» 申し訳ございません。消されてしまったようです。 (2018年5月1日 19時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 認めてもらいたい(前作)が読めません。題名、この話の内容、コメントから察するにこれの夢主視点でしょうか?このお話すごく好きなので読んでみたいのですが…… (2018年4月7日 11時) (レス) id: 198a7174c6 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@実況者沼、ハマり中。(プロフ) - みゃにゃさん» 元気ですよ! 有り難うございます!! (2017年9月19日 6時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
みゃにゃ - げんきそーでようたw(´・∀・`) (2017年9月19日 5時) (レス) id: a23cd4a964 (このIDを非表示/違反報告)
霜月白雨@実況者沼、ハマり中。(プロフ) - 汚濁さん» 有り難う!! そう言って貰えると嬉しいよ!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: c62dc48e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜月白雨 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年6月18日 1時