Blood pledge【青】

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りいこside

莉猫くんは、口を開いた。


猫「……昔ね、



俺、恋人がいたんだ」




子「………

そう、なんだ」


猫「…その子ね、街で迷子になった時に助けてくれたひとつ年上の女の子でさ

どこか抜けてるのに、人一倍責任感が強くて。

好きになっちゃったんだ………その子は人間だったのに」



…私たち(ヴァンパイア)が、人間を好きになる、ということ

それは、最早一種の呪いにかかった、とも言える状況。

人間とヴァンパイアが愛し合い、人間で言う結婚…特別な紅愛契り(blood pledge)を結ぶと、そのヴァンパイアは契りの相手以外の血を飲むことが一生出来なくなってしまう。

人間は、脆い。

たかだか人生100年程度。

でも、ヴァンパイアは異なる。

1000歳でやっと半人前と言われる程度。

生まれた瞬間からそばに居たとしても、その人間と共に生きることが出来るのはほんの僅かな時間なの

紅愛契り(blood pledge)をしたとて、人間の寿命は変わらない

ただ

その相手の人間が亡くなった後、誰の血も吸えずにヴァンパイアは餓死してしまう


ごく稀に、ヴァンパイアが先に死んでしまうことも無くはないのだけど、人間はあっという間に過去を忘れて別の相手を見つけてしまう。

ヴァンパイアが死んでも、人間は何も影響を受けないのだから。


そんな紅愛契り(blood pledge)は、定められた訳でもないのにご法度扱いになっている






そんな、非常識と言われることを知っていても尚、莉猫くんはその人を………



猫「愛してたんだ」

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