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俺の隣を歩く佐藤さんは、気が抜けているのかお店で話すより数倍天然な感じで、返事が面白い。思わず笑う俺に、慌てて拳を引っ込める彼女が可笑しくて可愛かった。
「何買ったんですか？」
「え？……なんでしょう」
「ラーメン」
「正解」
「伊達に2年間レジ打ちしてませんよ」
「清川さんの買っていくラインナップは分かります」と佐藤さんが楽しそうに笑った。何だか凄く恥ずかしいから、次は野菜でも買って吃驚させようかと思ったけれど、普通に食べたくない。
思えば、佐藤さんは2年も前からあのコンビニに勤めているらしいが、いつから俺の事を認識していたんだろうか。俺は、あの免許証を拾ってもらう数ヶ月前からだろうか。若い女の子が深夜帯にいるのは珍しいし、あのコンビニで1番接客態度がいいから自然と覚えた。
「佐藤さんは、いつから俺を覚えたの？」
「へ？」
「誰でも覚えてる訳ではないしょ？」
「……1年前には覚えてました」
佐藤さんは思案するように言うと、ふふっと笑いながら「田中さんが『王子』って呼んでるの聞いちゃった時には完全に」と零す。「え？」と止まる俺に、佐藤さんは「あ」と絶句した。
そうだ。あのコンビニを訪れる度、店員さんの間で交わされる会話の中から時々漏れ聞こえてくる「王子」。そういう名前のバイトさんが居るのかなと思っていたのだけど、今の口振り的に、俺が王子らしい。
「いや、あの、すみません。皆さん、清川さんがかっこよくて、優しいので、影でそう呼んでいて」
「……」
「別にあの、バカにしているとかでは！……田中さ……えっと、主婦のバイトの方なんて、清川さんが訪れる度にキャッキャされてますし」
「……」
俺が不快に感じていると思ったのか、慌てて弁解する佐藤さん。吃りながら言葉を続ける彼女に、俺は思わず肩を揺らしてクックと笑ってしまう。何だか必死すぎて、一挙一動が大袈裟で面白い。しかも、俺が王子って、どんなキャラだと思われてんだ。笑いの止まらない俺に、佐藤さんは驚いたように止まっている。
「王子って……俺、アラサーよ？」
「あ、アラサーなんですか」
「うん。王子とかいうキャラでもないし」
「……キャ、キャラは王子かと」
「違うって」
「少なくともコンビニで店員に対する時はその、とても優しいので」
佐藤さんは嬉しそうにふふっと笑う。「清川さんのこと、店員みんな好きなんです」と恥ずかしげも無く伝えてくるものだから、俺は思わず照れてしまった。
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parumu(プロフ) - かえる。さん» はじめまして！ありがとうございます(；＿；)♡これからも宜しくお願いします〜！！ (2022年8月28日 21時) (
レス) @page38 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませてもらっています！応援してます！ (2022年8月28日 21時) (レス) id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - いぬU・x・Uさん» はじめまして！そんなふうに言っていただけて嬉しいです(；；)まだ何も起きていない平和なお話なのですが、楽しく読んでいただけると嬉しいです！ぼちぼち頑張ります〜！ (2022年8月28日 21時) (レス) id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
いぬU・x・U(プロフ) - 初コメ失礼します…！とっても素敵なお話をありがとうございます！！これからも主さんのペースで更新応援しております〜！！ (2022年8月27日 13時) (レス) @page37 id: b1951e364b (このIDを非表示/違反報告)
parumu(プロフ) - リーフィア推しの【タクト】さん» そうなのです、読んでいただきありがとうございます🥰 (2022年5月24日 20時) (レス) @page29 id: 3fe3b17a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：parumu | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/parumu_u_62
作成日時：2022年4月23日 16時
