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【月永レオside】
暗い
寒い
なのに汗はぐっしょり
気持ちわるい
でも全部どうでもいい
あ…そうだ、きょくを、曲を作らなきゃ
おれの曲を待ってる人がいるから
つくらなきゃ…
『お前に作曲以外の価値があるのか？』
『お前なんて曲が作れなきゃ今の仲間にだって捨てられるさ』
……うるさいっ！！
頭の中に鳴り響く呪いの言葉
音が、音符がかき消されるほどの絶望
もう何も出来ない
曲を作れなくなったおれは無価値だ
セナに、捨てられる…？
「…っ」
手が動かないのが歯がゆくて噛み付いていたら、いつの間にか血だらけになっていた。
でも痛みは感じない
むしろ音が消えてしまった事の方が余程痛かった。
まるで呼吸の仕方を忘れてしまったかのように息苦しさを感じる。
そんなある日、セナが部屋に来た
おれに会いに？いや、曲を作って欲しいんだろう
おれにはそれしか出来ないから
おれを見たセナは口を開こうとする。
今、別れの言葉を言われたら、
セナにいらないと言われてしまったら、本当におれは無価値なモノになってしまう。
聞きたくなくて急いで叫んだ。
「ま、待ってっ！かくから！」
かかなきゃいけないのにやっぱり手は動かない。
頭が真っ白になって、そこからの記憶が無い。
気が付いたらベッドに横になってて、噛み跡だらけの手が包帯でぐるぐる巻かれていた。
セナは姿を消していた。
「……」
目をつむれば聞こえてくる呪うような声。
みんなが大好きじゃいけないのか
みんなで仲良くじゃいけないのか
おれはみんなが大好きで仲間だと信じていたのに
おれが甘かったんだろう
セナの言う通りおれは何もわかっていない子どもだったんだ。
無条件にみんながみんなおれと同じ気持ちだなんて有り得ないのに。
やっとわかった。
わかってしまった。
おれの中で何かが変わっていく
もうあの頃には戻れない。
─・─・─・─・─
かつて無条件で人を愛し、全ての人に手を差し伸べ、虫さえ殺せないような優しい心を持っていた少年は。
愛し、信じてきた周囲の人間から裏切られ恨まれ、人の穢れと向き合っていくうちに心が荒み、思考は闇へと侵されていった。
『敵となら戦える、殺しあいができる！
戦争だってできるっ、皆殺しにしてやるよ！』
(追憶 モノクロのチェックメイトより)
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冬月紺(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます。ゲームや小説の内容に忠実ではありませんので、そこだけご注意下さい。レオくんの過去はすごく切ないですよね。Knights尊いです。読んでくださり、本当にありがとうございました。 (2020年4月26日 12時) (
レス) id: 0132d6c14b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - やっぱ切ないですね...改めて過去が知れたので嬉しいです。 (2020年4月25日 1時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬月紺 | 作成日時：2019年8月5日 2時
