【歌い手】画面の中の貴方に恋をする。【 伊 東 歌 詞 太 郎 】

い.好きな人の話 ページ15

「じゃあ…カフェに行って雑談‥しましょうよ」


　「うん、いいけど」








私は、歌詞太郎さんの手を無意識に掴んでカフェに向かった。

手は私はカフェに着いても気付かなかった。









　「ｯ…‥えっと、何にする?」


　「私は、アイスコーヒーにしようかなと」


　「じゃあ、コーヒーで」


　『分かりました…‥』








店員さんがメニューを確認し行ったようだ。

やっぱり、無言。








　「‥えっと、歌詞太郎さん?」


　「は、はい‥。ごめんなさい、僕無言とか沈黙には慣れているので」


　「そうですか、今日は喋りましょうよ?」


　「そうですね」








歌詞太郎さんは笑って対応してくれた。








　「歌詞太郎さんはえっと…、好きな人とか居るんですか」








これ、好感度下がるじゃん。

‥私、何言ってるんだろうと我に返る。









　「どうしたの?いきなり」


　「え、あ‥駄目でした?」


　「駄目じゃないけど」









歌詞太郎さんはゆっくりと口を開けて言った。








　「いるけど…、」


　「え、あ‥居るんですか」


　「はい。最近の話なんですけど」


　「最近、か」








そうだよね、ファンにもたくさん接しているわけだし。

…女性に会う機会なんてたくさん。








　「私、ポジティブ思考になっちゃうんです」


　「え?」


　「だから‥辞めたいな」








堂々と奪えるような人間になりたい。

‥でもまだ確率はあるもんね。


大丈夫。








　「安心してるのもあっという間なんですよね」


　「え‥?うん」


　「取られるのも自分が気がついていない頃」








今、これが歌詞太郎さんに助言出来ること。

達成できなかったら、貴方を奪っていいですか。




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