【歌い手】画面の中の貴方に恋をする。【 伊 東 歌 詞 太 郎 】

た.付き合いたてのカップル ページ14

「この服でいい‥かな」









そんなお洒落とかしなくていいのに。

…なんでかな。




歌詞太郎さんには目立ちたいって思ってしまう。


‥‥そっか、好き‥なのか。









　「でも、歌詞太郎さんと私はただの…」







ただの‥何?

友達、っていう関係じゃないし。


他人?

先輩後輩?




よくわかんない関係だ。

だから、好感度も上がらない…いや、頑張れば上がるのかな。








　「もー…、私何言ってるんだろ!!早く行かないと」







昨日は、Twitterとか見る暇なかった‥。

だから今日こそは!!



そう思い、私は家を飛び出した。







＿＿＿






　「駅で、とりあえず待ち合わせって昨日言ったっけ」








昨日も嬉しいことだらけで記憶力が追いついていない。









　「Aさん、おはようございます」









歌詞太郎さんが歩いて私の元へ近づいた。


私も軽く挨拶しないと。








　「おはようございます。今日、誘ってごめんなさい」


　「えっ!?なに言ってるんですか」


　「こんな貴重な時間を…メンバーの皆さんにも迷惑掛かっちゃってると思いますし」


　「Aさん」


　「はい‥?」


　「今は、メンバーとか友達とか‥そんなの考えないで行きましょ?」


　「そうですね!!私ったら…」








いきなり失敗。

自分のことをポジティブに責めすぎて歌詞太郎さんに気を使われた。








　「僕も迷惑かけないよう頑張ります」


　「なんか‥、付き合いたてのカップル‥みたいですね」


　「え‥?」


　「あ、すいません」









歌詞太郎さんは笑って、









　「…なんだか照れますね」








あぁ、これも気遣いなんだ。

‥優しい男は、女性に好感持たれてベタベタに付きまとわれちゃうよ。




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