《続》告る前に振られた。【伏黒恵】

喝というか、悪口 ページ12

バァンッ！！




「！？…ノックも無しで何だよ」


あの虎杖ですらノックしていたのに、釘崎はノック無しでドアを開けた。
しかも壊れそうな勢いで。

ゼェゼェと肩で息をする釘崎。
…どっからここまで走ってきやがった。

怪訝な顔をする俺を見上げて、釘崎は言う。




「アンタ…明日あの子に告ってきなさい！！」



「…は！？」



なにを急に言ってくんだ。

…あの子、という言い方でも伝わってしまう俺は、きっと分かっているのだろうけど。

ズザ、と後ずさると、釘崎もその分距離を詰めてきた。


「だってアンタ、Aに宣言したんでしょ！？「オマエに伝えたいことがある」って」


ぐ、と言葉に詰まる。
…いや、待て。


「…なんでそれを知っている？」

「虎杖が盗み聞きした」

「アイツ…」


つか釘崎もキメ顔で言ってんじゃねえ。



―――「＿＿お前の記憶が戻ったら、言いたいことがある。」



…チッ



「…自信が、ない」



振られたらどうしようとか、

まず会ってもらえるだろうかとか、


ネガティブな考えが出てきて、脚が止まる。


バシッ


背中に痛みが走った。


「っ痛(つ)…！？」


「ウジウジしてて気持ち悪いわね！！アンタがウジウジしてるなんてキャラじゃないのよ！気色悪い！」


「…それただの悪口」

「うっさいわね！！」



とにかく、明日告りなさい！！さもないと釘ありったけ打ち込んでやるから！！



そう言って去っていった。



「…キャラじゃない、か…」



…確かに、そうだな。



…有難う、釘崎。

秘めたい。→←穴があったら入りたい。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す